大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ギロチングキング製作記(その5)

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バグるみの残骸、根こそぎ使ってしまうんじゃないかという勢いで流用しまくっているギロチングキング(仮)。前回の製作記では、なんとなくの雰囲気を確認するために頭っぽいパーツ、背びれっぽいパーツ、尻尾っぽいパーツなどを仮止めしている状態での写真を載せていたが、いよいよ本決まりのパーツを接着してみた。う~ん、トップヘビー。

自分も大概トゲトゲ好きなものの、床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)はその比じゃないね。ほとんどビョーキである。ちなみにこれ、実は1回全部剥がして付け直してるんだけど、改めて写真で見てみると、全体的にパーツが後ろ側に寄り過ぎている気がしてならない。もう一度剥がそうと言ったら、床山皇帝は嫌がるだろうなあ。しかし何故、我々は細かく位置決めをしてから接着しないのか? それは誰も知らない大宇宙の謎である――。*1

*1:ヒント:学習能力

ギロチングキング製作記(その4)

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一種の山場ともいえる撮影を終えて、ちょっとした燃え尽き症候群になっていた我が家工房。ここらでひとつ充電期間を設けようということになり、しばらくは着ぐるみの破損を直したり、来客を招いたり、夏のボウフラ対策で芝刈りをしたりと、そんなに根を詰めた作業はしていなかったんだけれど、3月頭よりぼちぼち稼働再開している。マーベル・シネマティック・ユニバースになぞらえるならば、ここからが我が家工房のフェイズ2だ。

で、そんなフェイズ2の第1弾が、ギミック満載の四ツ足怪獣ギロチングキング(仮)である。今となっては懐かしいバグるみの残骸パーツを流用しまくることで、作業時間を大幅短縮! わずか数日の間に、大まかな形はできてしまった。デザイン画のようにスマートなシルエットにはならないだろうが、グビラやサメクジラの遺伝子を受け継ぐ怪獣としては、むしろ正解だろう。しかし、デカい。デカすぎる。こんなに何も考えずに新怪獣をボコボコ作ってていいんですかね。フェイズ2は、場所との戦いになりそうだなあ。

ギロチングキング製作記(その3)

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ジョルジュ星雲人と同様、ずっと止まっていた四ツ足怪獣ギロチングキング(仮)の製作記だが、こちらの作業も深く静かに進行していた。1月初旬の時点で、すでにデザインもFIXまで持っていくことができていたのだ。初稿、第2稿の段階では、イメージソースのひとつだった『宇宙猿人ゴリ』のゼロンの影響を振り切れずにいたものの、もはやその面影を見出すことは不可能だろう。愛嬌の欠片もない、実に我が家工房らしい怪獣にまとまったと思う。なお、ブレード、ハンマー、ノコギリの換装ギミックは、どこまで造形で再現できるか分からないけれど、ひとまず挑戦してみようということになった。もしかしたらオミットするかも……。しかし、こいつのギミックは武器チェンジだけに留まらない。


なんと後ろ足で立ち上がり、二足歩行スタイルをとることができるのだ。第二の顔というアイデアには、自分も驚かされた。古代の海を荒らし回っていた大海獣が、侵略者の手によって様々な武装や新たな頭部を埋め込まれたといったところか。こちらの顔は、いつも通りの複眼になっている。バラモンキングも、ウイップ星人も、ジョルジュ星雲人も複眼だった。ちなみに、これまで語らずに来たが、ウチの怪獣には「カイゼル・ベム」なる正式名称がある。カイゼルとはもちろん、床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)の二つ名であるカイザーから取ったもの。ベムのほうは、宇宙怪物を意味するBEM(bug-eyed monster)であり、要するにウチは複眼一本でいきますよという宣言と受け取っていただきたい。そういう意味では、これが最初で最後の瞳付き怪獣となる可能性が高い。貴重な一体です。

ディオニス製作記(その1)


なんで君らは怪獣しか作らないの? ヒーローも作ればいいのに。我が家工房を始めてから幾度となく投げかけられてきた言葉だ。まあ、これは順序が逆というか、「みんながヒーローに走るので、私、怪獣を独占させてもらいます」というだけの話なんだけど、頑固そうに見えて意外と柔軟な我々は、実は早々にオリジナルヒーローの製作に取り掛かっていたのだった。それが 怪獣ハンター ディオニス である。


去年の6月には、もう名前も決まっていたはずだ。デザインの取っ掛かりとして、“『ザ・ウルトラマン』のメロスに不良息子がいたら?”というコンセプトを打ち出していたので、『走れメロス』に登場する暴君ディオニスから採らせてもらった。メインカラーは、床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)が大好きな緑。映像作品で使用するスーツじゃない≒グリーンバックを気にしなくてもいいからだ。ここまでイメージが固まっていれば、そんなに悩むことはない。実際、デザイン画の初稿は、するりと上がってきた。ところが……。

全怪獣・宇宙人大図鑑 Vol.3

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悪辣宇宙人 ジョルジュ星雲人
■身長…1.9〜47メートル ■体重…90キロ〜1万9000トン
 本星にいるジョルジュ上司からの命令で、子供ばかりを襲っては斬り殺していた。
 右腕の巨大なハサミと左腕の鋭いツメを武器としており、腰のカマもブーメランのように飛ばすことができる。夜行性で、夜になると街に姿を現す。
 ディオニスに幼児連続殺人の濡れ衣を着せようとしていたが、最後は正体が発覚して巨大な姿となって暴れまわった。
 出身地/ジョルジュ星雲 出現地/中野区→杉並区 最後/ミリオンクラッシュ。

2月のお仕事

ガイガン山崎+齋藤貴義 怪獣プロジェクト - 怪獣チャンネル

今日から君も、怪獣のプロだ――。
夕方の6時過ぎ、いつも12チャンを点けると、ザラブ星人に似た声のオジさんがそう語りかけてきた。
当時、僕はまだ4歳である。素直な子供である。だから確信した、俺は怪獣のプロなのだ。生ける怪獣コンピューターなのだ。
あれから二十余年、僕は怪獣のことを書いたり喋ったりして暮らしている。まさしく怪獣のプロだ。
君も『怪獣チャンネル』を聴いて、怪獣のプロになろう!


#001「ゴジラ(ゴジラシリーズ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#038「モチロン(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#071「タイラント(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#085「赤影(仮面の忍者 赤影)」
#086「ミラクル星人(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain

メディア芸術カレントコンテンツ
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第1回「What is KAIJU?」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第2回「海を渡った怪獣たち」

ニュータイプ 2019年3月号

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マーベル・シネマティック・ユニバース

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パロディとオマージュの間に…

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『我が家ファイト』の重要なコンセプトのひとつに、“オマージュであってパロディではない”というものがある。本家である円谷プロも含めて、様々なクリエイターがパロディの対象にしてきた『ウルトラファイト』。しかし、どれもこれも最初の『ウルトラファイト』のようには笑えない。これはたぶん、最初から笑かしに掛かってるからなんじゃないか? 『ウルトラファイト』の可笑しさって、もちろん狙っている部分もあるにはあるが、大部分は天然だろう。山田二郎の実況ナレーションにしても、どこかとぼけた雰囲気が笑いに繋がっているのであって、御本人に笑わせる気はあるまい。作り手のドヤ顔が透けて見えたら、それだけで受け手は冷めてしまう。やっぱり古舘伊知郎ではダメなのだ。


要するに茶化さないということなんだが、エッセンスの抽出の仕方にもこだわった。たとえば、極端に擬人化された怪獣が、コントさながらのやり取りをするエピソードは最小限に留め、本当にただひたすら戦っているだけのエピソードをメインに据えている。野っ原で、海岸で、着ぐるみの怪獣がホテホテと歩く。走る。戦う。これで充分、シチュエーションとしては狂っているのだから。また、『ウルトラファイト』の特定エピソードをモチーフにすることも避けた。「海は青かった」や「怪獣島異聞」、「激闘! 三里の浜」の現代版なんてのはナシだ。だがライフルや木刀あっての『ファイト』ではあるので、ジョルジュ星雲人も武器を握れる腕に換装できるようにしたし、M-16自動小銃も銀色にリペイントして登場させてみた。まあ、ここまでやってしまうとパロディの領域に入ってしまうかもしれないが、でもどうしてもやりたかったんだもん。銃で撃たれて死ぬ怪獣!