大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ジョルジュ上司製作記(その1)

f:id:gigan_yamazaki:20190926002335j:plain
およそ半年の製作期間を経て、ほぼほぼ完成したギロチングキング。やはり時間を掛けただけあって、なかなかの名獣になったと自負しているものの、このまま大作志向になってしまっても我が家工房らしくない。そこで次回作は、サクッと完成させられるものにしようということになった。いつぞやの習作マスクをベースに、ジョルジュ星雲人の上司的な別個体を作ってしまおうというワケだ。要はサイコバルタン星人です。ただし、自分の頭にあったのは、むしろテンペラー星人だったりする。彼氏、よくよく見ると……いや、よくよく見なくてもバルタン星人の亜流デザインなんだが、全体的な印象はまったく異なる。つまり頭にアンテナを付けたり、まったく違う色で塗ってしまえば、この習作マスクからセミ人間っぽさを払拭できるんじゃないかと考えたのです。さて、どうなるかしら。

カマちゃん日記

f:id:gigan_yamazaki:20191107105908j:plain
最近、カブふみの元気がない。冷静に考えてみたら、9月も終わろうかという時期なのだから、そろそろ寿命なのかもしれん。ただ、前にも元気がなくなったことがあり、そのときはコーカブの登場を期に完全復活を果たしたのである。飼育ケースごしに“アジアの暴君”の発するプレッシャーを感じ取り、眠れる闘争本能を開花させたのではないか。

科学的な根拠は一切ないが、カブふみが元気を取り戻したのは事実だ。だから、また強敵が出現すれば、カブふみも元気になるんじゃないかしら。床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)とそんな話をしていたら、ちょうど自転車置き場でハラビロカマキリを発見。早速、こいつにカマふみと名を付けて、カブふみと同じ飼育ケースに投入してみた。Let them fight!

また、近くに弱ったアブもいたので、こちらもアブふみと名付けて、カマふみの餌となってもらうことにした、我々は、ここに小さな生態系を創造したのだ! しかし、どうしたことだろう。なんか、まったりしてる。まあ、身体のサイズ的に、カマふみがカブふみに襲いかからないことは想定していたものの……ちゅうか、だからこそ戯れに入れてみたんだが、何故かアブふみも一緒に日向ぼっこしてるじゃん。まったく読めないぜ、昆虫。


【2019年9月24日追記】
アブふみが死んだ。結局、カマふみは最後まで手を出さなかったらしい。こ…昆虫にだって友情はあるんだーっ

カブちゃん日記(その11)

f:id:gigan_yamazaki:20191108062001j:plain
カブトムシの飼育は簡単だと書いたが、それでも排泄物の始末くらいはしなくちゃあならない。幼虫だったら、発酵マットの表面に黒い塊みたいな小さなフンが溜まってくるので、それを取り除き、新しいマットを追加して混ぜてやる必要がある。前にも書いたが、発酵マットとは腐葉土や朽木と独自の栄養素を混ぜたもので、幼虫はこれを喰らう。
一方、成虫は昆虫ゼリーしか食べないため、かなり水っぽいフンだ。カブトムシは、フンもオシッコも肛門から一緒に出すのである。だから、飼育ケースの壁面にビシャっとかけられた排泄物を拭き取るという作業が、成虫の世話の大部分を占める。ただ、たま~に上写真のような白い塊が落ちていることに気付いた。最初はこぼれたゼリーかと思ってたんだが、それにしては妙な弾力がある。ひょっとしてフンなんだろうか。ネットで軽く調べただけでは分からなかった。まったくカブトムシの世界は奥が深いぜ……。

カブちゃん日記(その10)

f:id:gigan_yamazaki:20191107105901j:plain
人類滅亡後、地球を支配する生物はゴキブリだ、イルカだ、いやタコだなどと諸説あるワケだが、どれも間違ってるね。正解は、コーカサスオオカブトです。はっきり言って、人間はカブトムシを舐めている。舐めきっている。ただ力が強いだけのノータリンだと思っている。しかし実際のところは、驚異的な学習能力と記憶力を持っているのだ。少なくともウチのコーカブちゃんは、パワーと知性を兼ね備えたベインのような男なのである。

なんせ最近、何度も脱走を試みている。おそらくきっかけは、飼育ケースの蓋が緩んでいたことなのだろう。すぐにこちらが気づいたため、最初の脱走こそ未遂に終わったものの、それからずっと蓋のジョイント部分に前脚の爪を挟み込むようになり、ちょっと油断するとパカンと空けては逃げ出そうとするようになってしまったのだ。今のところ、蓋の上に愛蔵版『デビルマン』を置くことで対処しているが、ヤツの力は未知数であり、いつの日か脱走を成功させて飼い主の寝首を掻かないとも限らない。審判の日は近いぞ。

ギロチングキング製作記(その17)

f:id:gigan_yamazaki:20191114233409j:plain
去る3月17日に開催されたメカゴジライベントのバックヤードにて、我が家工房が尊敬してやまない井口昭彦御大にバラモンキングやウイップ星人の写真を見ていただいたところ、「う~ん、少し綺麗にまとまり過ぎてるな。オチンチンとかオマンコでも付けたほうがいいんじゃない?」とのありがたいお言葉を頂戴した。しかし、だからといってバラモンキングの両頬からふぐりを垂らすワケにもいかない。そもそも我々が好きなのは超獣であって、バンデラスやレモジョ星系人ではないんだが、その言葉がずっと引っかかっていたのもまた事実。要するにデザインには遊び心というか、一種の抜きどころも必要ということだろう。で、ついに実行に移した次第である。御大、本当にこれでいいんですね!?

月のシャワー

f:id:gigan_yamazaki:20191002192847j:plain
ごく親しい人間やトークイベントの常連さんには周知の事柄であるが、高橋よしひろの漫画が好きだ。犬が好きだからが高橋よしひろを好きになったのか? それとも高橋よしひろが好きだから犬を好きになったのか? 今となっては“鶏が先か、卵が先か”みたいな感じだが、事あるごとに野犬や熊の話をしていたら、銀牙シリーズの愛蔵版コミックスのお手伝いをすることになった。いわゆる傑作選スタイルで、名作の誉れ高いエピソードの合間に読み物ページがあり、そこを担当して欲しいとのこと。結局、スケジュールとの兼ね合いもあり、登場キャラクター大辞典の執筆のみを引き受けることになったのだが、それにしたって余裕がない。なんせ優に100巻を超える大巨編であり、単純に読み返すだけでも時間が掛かる。しかも犬だけでなく、人間、熊、狼、猿、その他のキャラクターも隈なく載せたいらしい。「100匹は超えますよねぇ……」と担当氏。「いやいや、100や200では効かないでしょう!」と返したものの、自分にだって何匹になるかは分からぬ。果たして与えられたページ数で足りるのか? Q数や段組みで調整できるとはいえ、それにも限度はあるのでヒヤヒヤしながらリストアップしたが、なんとかギリギリ収まってよかった。


今回、最も頭を悩まされたのは表記のルールである。辞典である以上、キャラクターの名前はフルネームで載せるべきだ。たとえば、ジョンの甥っ子であるアンディであれば、アンディ・バルコムでいい。アンディという名は、秀俊先生がつけたのかもしれないが、バルコムさんの家で産まれたからバルコムなのだろう。人間と変わらないネーミングだ。では、白銀狂四郎は? おそらく白銀は、いわゆる名字ではない。暴力親父や死んだ兄弟犬も白銀なにがしという名前だったとは考えにくく、これは狂四郎個人の容姿や戦いざまを由来とする一種の通り名と思われる。つまり玉取りのヒロだとか肥後の黒マムシと同様のものだ。で、ここで持ち上がってくるのが、通り名をフルネームとカウントすべきなのか問題。普通に考えたらNOだが、銀牙シリーズは任侠ものや時代劇のノリで描かれており、そう考えると通り名=キャラクター名と捉えるべきという気がしてくる。ポンポンの繁はポンポンの繁だし、組紐屋の竜は組紐屋の竜じゃないか。ただ竜としか書かれていなかったら、むしろ違和感が残る。それに決して短くはない通り名を、頭の一行分で処理することによって、少しでも多くの情報を本文に拾えるというメリットもあった。*1


ただ、異名と通り名の区別はつけなくてはならない。この世界の犬は、妙に異名持ちが多い。タイトルに謳われている“流れ星 銀”からして異名なワケだが、どちらとも取れる名も一部存在する。たとえば自分が一番好きな白狼であれば、北見の白狼に加えて、“ヒグマ殺しの白狼”という呼び名もある。個人的には後者のほうが印象深いものの、初登場時に北見の~と名乗っており、のちに再登場したときもそうだった。野犬にとって、どこを根城にしているかということは、己のアイデンティティの根幹の部分に関わってくる問題なのかもしれん。そこで今回は、顔見世のときに本人が名乗ったりしていたものを通り名とした。あと、意外と困ったのが犬種で、こちらが想定していたよりも明言されているキャラクターが少なかったのだ。どう見ても○○犬だろうというヤツも、勝手に推測して書くわけにはいかず、やたらと“不明”が多くなってしまった。まあ、これが同人誌だったら、国会図書館で掲載誌*2とかも確認していたかもしれないけれど、残念ながらタイムアップ。そう考えてみると、ブログはいいよね。何の制限もなく、あとからいくらでも修正できるし、これがあるから心の平穏を保てている気がする。だって見本誌を見ていたら、次から次へと誤字脱字が見つかって、もう頭がおかしくなりそうだワン!*3

*1:メジャーなキャラクターならともかく、樋川のスケベ憲一みたいなレベルになると、憲一とだけ書かれていても何が何だか分からないし、本文で通り名の説明をしたら、それのみでほとんどのスペースが埋まってしまう。

*2:Wikipediaなんかを見てみると、ハイエナの犬種はワイマラナーと書かれていて、そう言われてみると確かにワイマラナーっぽい……。もちろん、書き手の思い込みや“独自研究”の可能性もあり、少なくとも単行本には載ってないんだけど、『週刊少年ジャンプ』の企画ページとか未収録の扉絵に書かれてたんじゃないかなあと。もっとも犬種に関しては、わりと執筆時期でブレがあったりするので、ゴラク時代のものを一次資料とすることにした。ただ、十数年前に出た画集にも犬種情報が載っているというのは盲点だった。痛恨。

*3:自分の場合、モニター上だけでなく、実際にプリントアウトして誤字がないか確認するし、場合によっては編集とともにゲラチェックもする。また、一般書籍であったら校正・校閲というプロの目も入るわけだけど、それでも絶対になくならないのが誤植というものだ。だから書き手としては、いちいち気にしてたら仕事にならない類のものではある。でもまあ、やっぱり凹むよね。

カブちゃん日記(その9)

f:id:gigan_yamazaki:20191108042223j:plain
甲虫類の身体は、成虫になってからは決して大きくならない。大きな個体が欲しかったら、幼虫のうちにたっぷり影響を与える必要があるのだ。カブトムシの場合、腐葉土や朽木に独自の栄養素を混ぜた発酵マットで育てることが推奨されており、我が家工房もそれに倣っている。そう、今は亡きメスカブちゃん1号だが、きちんと卵を産んでくれていた。ケースの側面から、プリプリした幼虫の姿を確認することができたのである。

で、メスカブちゃん1号の命日=最後に潜った日から約2週間が経ち、そろそろすべての卵が孵った頃だろうとカブト掘りを敢行! 本当に何十匹もいたらどうしようと心配しつつ、床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)と一緒に丁寧にほじくり返してみたところ、最終的に6匹の幼虫が出てきた。ちょっと拍子抜けの数だったが、逆にこれくらいならば、知人の希望者にペアで配ったら、もうそれでおしまい。まったく現実的な数だ、今のところは。あとはメスカブちゃん2号が、カブふみ2世をどれだけ産むかに懸かっている……。