大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

映画

ゴジラ プラマイ0

ハリウッドかぶれの自主制作映画少年だった頃、『VERSUS -ヴァーサス-』の北村龍平と『リターナー』の山崎貴は、どこか憧れにも似た親近感を抱かせる映像クリエイターであった。今となっては気恥ずかしさすら覚えるハリウッド大作からの丸々いただきカットも…

便利地、クオリッチ。

マクファーレン・トイズの話題が続いて恐縮しきりなんですが、激レア激ヤバ即ゲットのブログなので災難だったと諦めてくれ。ちょうど殺せアマゾン.comの特選タイムセールで、7インチシリーズのクオリッチ大佐が安くなっていたのだ。映画を観た直後の勢いで買…

絶対ピンチのにせものヒーロー

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、最高だった。ピーター・パーカーの旅行先、水の都ヴェニスにハイドロマン出現!*1 なんて、まるで夏の昭和ライダーみたいな出だしじゃないか。もちろん、これは21世紀のハリウッド映画だから、スーパーヴィラン…

キング・オブ・モンスターズ

ハリウッドのゴジラ監督を総括すると、「コレ、オ好キデショウ?」とゴージャスな懐石料理を振る舞ってくれたのがマイケル・ドハティなら、深海魚の活き造りを控えめに押し付けてきたのがギャレス・エドワーズ。研究熱心なドハティを邪険にはできないが、個…

火の呼吸

『アベンジャーズ/エンドゲーム』、これで文句を言ったら罰が当たる。10年前は、サノスどころかアベンジャーズ自体が、多くの日本人にとって未知の存在だったワケで、よくぞここまで定着させたもんだ。あと5年もすれば、どうせまたみんな見向きもしなくなっ…

声に出して読みたい日本語、プレデター界

『ザ・プレデター』、最高だった。ダークホースのプレデターコミックにありそうな一発アイデア勝負の筋書きは潔く、またシェーン・ブラックとフレッド・デッカーが手掛けているだけあって、かの傑作『ドラキュリアン』にも通ずるところがあったように思う。…

ほぼ一日一怪獣(ゴジラ2016)

『シェイプ・オブ・ウォーター』は、もしもジュリー・アダムスがギルマンに振り向いてくれていたら……という幼き日のギレルモ・デル・トロの願いから発想された映画だったというのは有名なエピソードだ。もちろん、オリジナル版『キング・コング』がそうであ…

ほぼ一日一怪獣(ギルモス)

新たな半魚人を創造する際、ギルマンの意匠を一切使わずに成し遂げることは難しいと書いたことがある。成田亨は、ラゴンについて「ごく当たりまえに半魚人をデザインしたものです」と述べていたが、つまり1965年の段階で、すでにギルマンは半魚人のスタンダ…

ほぼ一日一怪獣(ネオザルス)

当ブログのプロフィール欄に書かれた「超獣紋太郎 何処へ行く」なるフレーズは、『ミラーファイト』の一篇「怪獣紋太郎 何処へ行く」のもじりだ。三度笠と道中合羽を身にまとい、長楊枝をくわえて孤独な旅を続けていた“怪獣紋太郎”こと恐竜アロザ。その道す…

ほぼ一日一怪獣(サマエル)

横井軍平が言うところの「枯れた技術の水平思考」ではないけれど、大作映画のメイキングを観たり読んだりしていると、VFX全盛期の現代においてもSpFX時代に培われた創意工夫は活きており、またアニマトロニクスやミニチュアといったアナログな技術そのものも…

ほぼ一日一怪獣(アクバー提督)

絶賛! 酷評! 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』! ってなもんで、昨年末から「どうでした、今度の新作?」と訊かれまくってるわけですが、可もある不可もあり……つまりいつもの『スター・ウォーズ』である。昔から反乱同盟軍は行き当たりばったりだった…

ほぼ一日一怪獣(キングダーク)

『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』といえば、カメバズーカのデンライナー撃墜に加えて、もうひとつ大好きなシーンがあった。多くの仮面ライダーが歴史改変によって消滅したため、2011年まで歴代の悪の軍団が存続することとなり、ショ…

ほぼ一日一怪獣(カメバズーカ)

『仮面ライダーV3』とのファーストコンタクトは、小学1年生の夏休みにやっていた再放送で、しばらくは「ズ〜カ〜!」だの「フラ〜イ」だのと鳴き声を交えないと会話ができなくなってしまい、オカンから“デストロン禁止令”を言い渡されたほどなんだけど、今回…

ほぼ一日一怪獣(ギルマン)

ユニバーサルモンスターズでは、メタルーナ・ミュータントとギルマンが好きだ。どちらもミリセント・パトリックによるデザインで、後世への影響は計り知れない。特に新たな半魚人を創造する際、ギルマン的意匠の一切を排除して考えることは不可能だろう。あ…

ほぼ一日一怪獣(ゼイラム)

雨宮慶太の初劇場用作品『ゼイラム』には、とある懐かしい光景が登場する。「ステレオ」「ファクシミリ」などと大きく書かれた看板、陽のあたる場所に構えられたジャンクパーツの露店……そう、まだ高架下くらいにしか飲食店がなかった頃の秋葉原だ。自分も少…

ほぼ一日一怪獣(ガーシム)

モンスター界隈の番長といえば、『遊星からの物体X』。そして最王手の『エイリアン』は総番で、『ダーククリスタル』が裏番といったところだろうか。いずれも未だフォロワーの出現があとを絶たない超々々名作だが、如何せん裏番は裏番。『ダークリ』の知名度…

ほぼ一日一怪獣(ゴジラ)

自分の作品が映像化された際、“里子に出す”という言い方をする原作者は多い。なかなか的を射た表現だと思う。そして、『ゴジラ』や『スター・ウォーズ』、『ブレードランナー』などの新作が制作されるときのディープなファンの気持ちもまた、(ちょっとニュ…

ほぼ一日一怪獣(ダガーラ)

魔海獣ダガーラが好きだ。平成モスラシリーズって、生意気盛りの中坊のときに観たもんだから、どうしても否定的な態度をとってしまいがちなんだけど、なんだかんだで20年くらい寝かせたことでイイ感じに熟成してきたような気がしてならない。 ただ、当時から…

ほぼ一日一怪獣(ラスター)

先日、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を再見する機会があった。まあ、単純に仕事のための確認作業だったんだが、これが意外と悪くない。要するに初見のときは、どのくらい新怪獣が出てくるのか、ウォーカーは活躍するのか、いろいろと期待しながら観た…

レゴだよそれは!

『レゴ®バットマン ザ・ムービー』は、『LEGO® ムービー』に勝るとも劣らない大傑作だった。子供向け映画の枠組みからはみ出すことなく、レゴならではのアプローチでバットマンの狂気と救済を描きつつ、クロックキングにクレイジーキルト、イレイサーといっ…

Judgment Day

ターミネーターシリーズが好きだ。ジェームズ・キャメロンの手による初期二作はもちろん、賛否両論ある3、4、5作目にも見るべきところがあると思っている。ただし、10年くらい前にやってた連続ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』、あれは…

世界人類が平和でありますように

『狂い咲きサンダーロード』のオリジナルネガ・リマスター版Blu-rayが発売された。しみじみとフィルムの質感っていいよなあと思わせてくれる丁寧なリマスターで大満足。 Blu-rayの登場によって、大好きな映画をそのまま所有するという感覚が、ビデオやDVDの…

Worlds' Finest

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のアルティメット・エディションが届いた。夜中に仕事をしているとき、まったくの無音状態だと寂しくて布団に入りたくなるので、ず〜っと繰り返し繰り返しエンドレス再生している。 しかしこれ、ホントに…

おもいっきり中学しよう。

小学2年生の夏休み、家族と一緒に『エイリアン』を観た。それが自分の、ゼノモーフとのファーストコンタクトだ。布団にくるまりながら、そのあまりの恐ろしさに美しさに息を呑み、目を奪われ、まるで時間が止まったかのような錯覚を覚えたのち、ハッと気がつ…

俺ァゴジラ

昨日の話の続きになるけれど、怪獣映画に親しんでいないといえば、今回のゴジラは可哀想だったという意見がある。その語り口が穴だらけで稚拙だったため、大半の人間から一笑に付されてしまった感があるものの、まったく見当はずれの話とも思えなかった。怪…

竹ノ塚ファイナンス

『パシフィック・リム』を語るとき、日本の影響が云々みたいな話になりがちだ。ここが日本である以上、それは致し方ないし、日本の怪獣映画やロボットアニメのエッセンスが盛り込まれた“俺たちの映画”ではあることも間違いない。だが、怪獣や巨大ロボットな…

I Am the Law!

ABCウォーロボットは、映画『ジャッジ・ドレッド』で大暴れするヴィラン側の戦闘ロボットだ。50年前の大戦に用いられた骨董品という設定で、その錆びついた無骨なボディに惹かれる者は数知れない。主な立体物としては、マテルのMEGA HERO(3インチほどのミニ…

世界の俺シリーズその1

獰猛な肉食獣ランコアの飼育係、マラキリ。『ジェダイの帰還』に登場した彼の出番は、わずか1分にも満たないものだったが、ランコアの亡骸を前にして泣き崩れる姿は印象深く、ただの太ったオッサンであるにも関わらず幾度となくフィギュア化されてきた。ちな…

裏町裏通り名画館

『フォースの覚醒』にピンと来てない人の話を聞いていて、ハッと気付かされたことなんだけど、世の中には『スター・ウォーズ』をアクション映画として捉えている人々が少なからず存在しているようなのだ。いやいや、あれはアドベンチャー映画でしょう。 主人…

二つの夕日

『スター・ウォーズ』新三部作、アリかナシか。これまで世界中で幾度となく繰り返されてきた問いかけであろう。そもそも観たことがない人は、うんこして死んでください。まあ、結論から述べさせていただくと、これはもうアリ。圧倒的にアリ、大アリ、アリア…