大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ほぼ一日一怪獣(テンペラー星人)


タロウ怪獣が好きだ。一応、怪獣を超えた存在である超獣をも超えた怪獣というややこしい番組設定がなされているものの、何のことはない見てくれは超獣そのものである。まあ、そういう意味では『帰ってきたウルトラマン』のノコギリンやらグロンケン以降、すでにウルトラ怪獣は超獣になりかかっており、ここら辺はまとめて偏愛の対象と言える。


で、この時期の怪獣の特徴というと、真っ先に装飾過多であることが挙げられるだろう。どいつもこいつも原色をふんだんに使い、ツノだのトゲだのコブだのでゴチャゴチャしていて、上の世代から忌み嫌われているワケだが、「そこがいいんじゃない!」ってなもんだ。しかし自分にとっては、“そこ”が一番のチャームポイントではない。


では、何が魅力なのか? それはずんぐりむっくりしているところだ。撮影後もアトラクションショーなどで酷使されることを前提に、頑丈に頑丈に作られた彼らは、身体のあちこちに不自然な皺が寄ったボリューミーな体型だった。また、これは太ももの位置を少し変えるだけで解消できたと思うんだけど、妙に胴長短足に見えてしまう連中も多い。


正直、お世辞にもスタイリッシュとは言い難いルックス……。しかし短い手足を振り回しながら、防衛チーム相手に一席ぶつ宇宙人やビル街を破壊しまくる怪獣たちの姿は、恐ろしくも愛らしく、なんともいえない魅力があるとは思わないか。男は度胸、女は愛嬌ということわざがあるけれど、怪獣にもまた愛嬌が必要なのです。


テンペラー星人は、その代表格だ。とてもウルトラ兄弟の宿敵とは思えない見てくれだが、だからこそ素晴らしい。いわゆるギャップ萌えというヤツである。21世紀に入り、酉澤安施の手でリファインされたことによって、確かに彼は“極悪宇宙人”の肩書きに相応しい威厳ある姿を手にしたかもしれない。だが、もう目を回したり息切れしたり尻もちをついたりすることはできまい。いっちょ前のモデル面して、深夜のバラエティ番組で粉を被ったりしなくなったアイドルを見ているような、ちょっと寂しい気分にもなるね。


SHODOウルトラマンVS3 テンペラー星人 / バンダイ