大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

Rの法則

殴れ! 殺し合え! 怪獣皆敵、一日一レッドファイト! というわけで、夕方6時になったらウルトラチャンネルにアクセスする毎日ですよ。LD-BOXやCSで頭がおかしくなるまでイッキ見するのもオツなもんだが、こうして1本ずつ丁寧に観る『レッドマン』もまた、これまで気付かなかった細かいディテールにも目を配ることができて悪くない。
たとえば、地面に叩きつけられたレッドマン目掛けて、とどめのニー・ドロップを3発も仕掛けてくるドラコ。今でこそ繋ぎ技として用いられることが多いニー・ドロップだが、70年代ではまだまだ立派にフィニッシュホールドとして脚光を浴びていた大技だ。このドラコ、完全に殺りにいってる! 終盤に登場するドラコが、投げっ放しパワーボムジャイアントスイングを繰り出し、レッドマンをとことんまで追いつめていたことは印象に残っていたものの、序盤のドラコもなかなかの試合巧者じゃないか。


レッドマンといえば、ゼットンやブラックキングなどの強豪怪獣にも引けをとらない戦闘力の高さに感銘を受けている諸君も多いかと思うが、先述のドラコにエレキング、レッドキラーといった地味〜に強い連中のことも忘れてはならない。こいつら、ウルトラ兄弟が戦っていた個体よりも確実にパワーアップしている! また、彼らほどではないにしても、口や腕からロケット弾を発射する新能力を持っているものも少なくない。
時期的にヤプール人の関与も考えられるが、ひょっとすると生息地が関係しているのかもしれない。その根拠のひとつとして挙げられるのが、斑点模様のペギラである。


敢えて記すまでもないが、南極に棲むペギラが雪のように真っ白な身体をしていることに対して、亜熱帯(?)の多々良島を根城としている弟怪獣のチャンドラーは真っ黒な身体を有していた。そしてレッドマンが戦うペギラは、その中間のような不気味な体色だ。
余談だが、『レッドマン』に使用されているペギラのスーツは2種類あり、片方はチャンドラーのオリジナルスーツが改修されたもの……すなわちオリジナルのペギラの成れの果てなのだという説もある。実際、まさにあの白い斑点模様にリペイントされたオリジナルスーツが激写された当時のスチル写真も残っているのだ。そもそもどうして斑点模様がレギュレーション化しているのが謎だけれど、日本全国のアトラクションショーをドサ回りするときに汚れが目立たないように、それでいてチャンドラーとの違いも明確に残しておこうということなのかもしれない。


閑話休題。このようにペギラやパワード怪獣の例を見れば明らかだが、怪獣たちは生息地に合わせて独自の進化を遂げているようだ。我々の世界の野生動物にしても同じことで、北海道に棲息しているクマやシカ、キツネなどは、本州のものに比べて身体が大きい。つまり同じ種でも寒い地域に棲むものほど大型になっていく、これを「ベルクマンの法則」と呼ぶ。えー、僕は正直なのできちんと明記しておきますが、『ゴールデンカムイ』のおまけページにそう書いてありました。
で、レッドマンと戦う怪獣の異様なまでの手強さ、黒々しさにも同じような原理が働いているのではないかと考えたワケです。これを仮に「レッドマンの法則」と呼びましょう。そんな恐ろしい地域に、レッド星からひとり派遣されたレッドマン! すごいの一言につきる。まあ、あるいはレッドマンという天敵の出現を前にして、怪獣たちに起きた謎の防衛反応という気もするけれど、いずれにせよやったーカッコイイ――――


【2016年4月24日追記】

スーパーフェスティバル71にて格安で入手した、第1期プラタグ版のグドン。限りなく黒に近い焦げ茶色の成型色とメタリックグリーンの塗装が、グドンの持つシャープな印象を際立たせており、(同じく第1期のツインテールほどではないものの)マニア市場ではそれなりのプレミア価格で取り引されている逸品だ。
まあ、今となっては、もっと出来のいいグドンのソフビが他にもあるし、そもそも劇中の印象からかけ離れた仕様だったのでコレクション対象外だったんだが、『レッドマン』後半戦のレギュラー怪獣であるところの黒ずんだグドンにはそっくりじゃないかと気付いてしまい、思わず衝動買いしてしまった。しかし、こうなってくると手持ちのペギラやシュガロンのソフビも、『レッドマン』カラーにリペイントしたくなっちゃうなあ。


ULTRA COLLECTION 5 地底怪獣グドン/バンダイ