大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

肌の色は違うけど愛してます


いい加減もう何も書くことはなくなった『レッドマン』だけど、ソフビ職人の床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)と一緒に、またこんなものをこしらえてしまった。レッドマン仕様のメフィラス星人とシュガロンである。見慣れたソフビも、こうやってリペイントしてみると新たな魅力が見えてくる。ちなみにシュガロンは、彼の生涯最高傑作だそうです。それでいいのか、お前の人生。


レッドマン』の怪獣は、いずれも全国のアトラクションショーなどでドサ回りをしていた連中だ。直近の帰マン怪獣に関しては、実際の撮影で使用された由緒正しい着ぐるみだったりすることも多いが、大抵は舞台上でも目立つようにお色直しが施されている。こうした状態の着ぐるみが、フィルムに収められることは稀なため、怪獣ファンにとって『レッドマン』は貴重な研究資料なのだ。
特にシュガロンは、その典型パターンでマシュマロのような白い身体が真っ青に塗り直されており、まったくの別人ならぬ別獣といえる仕上がり。ペギラやダンガーもそうだが、原典で白かった怪獣も、アトラクでは黒あるいは寒色に改められることが多い。これは恐らく汚れを目立たせないためと思われる。逆にメフィラス星人のように黒一色の怪獣は、アクションの視認性を高めるためか、ポイントカラーとしてシルバーやホワイトが施されることが目立つ。成田亨が知ったら卒倒しそうな仕打ちだが、このアレンジが如何に秀逸なものであったかは、今回のリペイントソフビを見れば明らかだ。ファッションにおける、差し色を効果的に使ったメンズ着こなしってヤツである。メフィラス星人(二代目)が、より下品にパワーアップさせて踏襲していたのも頷ける。


で、シュガロンといえば、まことしやかに語られるのがダンガーの着ぐるみを改造したものという説だ。そのため、『レッドマン』に登場するダンガーは、アトラク用に新造された着ぐるみだと言われている。それに(『帰ってきたウルトラマン』放映当時に流れていた)ブルマァクの「怪獣ボウリングゲーム」のCMでセンターを張っている見るからに大雑把なつくりのダンガー、あれは確かにアトラク用の着ぐるみだろう。しかし『レッドマン』のダンガーは、体色こそ真っ黒になっているが、特徴的なくびれや太もものボリュームなど、アトラク用にしては再現度が高すぎる。さらにつぶさに観察してみると、腹部のモールドパターンまで一致しているのだ。21世紀ならともかく、70年代当時の着ぐるみでそれはあり得ない。つまりダンガーとシュガロンの着ぐるみは、まったくの別物なのである。おそらく完全新規か、もしくはゴルバゴス辺りの改造だったのではなかろうか。


レッドマン』を真剣に観ていたら、ン十年もまかり通っていた定説のひとつが覆ってしまった!
イマドキの特撮ファンからすると、『ウルトラファイト』のようなユーモアどころか、行け!シリーズ程度のシンプルなストーリーすら存在しない『レッドマン』は、斜に構えて強引に笑いを見出さなければ観るのが辛い作品かもしれないが、行くとこまで行ってしまった怪獣ファンにとっては、このような発見に満ち溢れた宝石箱のような番組なのだ。


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