大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

キリがない


少年リックのコスモリキッドが届いた。春先にライブキングの発売がアナウンスされた時点で、これはワンチャンあるなとは思っていたけれど、いざ現物を目にしても信じられないというか、このクラスの怪獣まで商品化するエクスプラスの侠気には感服するしかない。ガキンコの頃から一番好きなウルトラ怪獣なのだ、コスモリキッドは。僕はただありがとうありがとうと涙した。


人間、やっぱり好みというものがありまして、怪獣なら何でもいいという怪獣者は皆無に等しい。自分の場合は、ガイガンに代表される装飾過多でボリューミーな怪獣と、宣弘社やピープロの番組などに登場する恐竜にただツノを付けただけのようなシンプルな怪獣が好きだ。あまりにも正反対過ぎる趣味だが、ギャルギャルしい糞ビッチも黒髪ロングの清楚系美人もどっちもイケる!という人間だっているだろう。もっというと、二度のブームで量産されまくった末に怪獣デザインが辿り着いたゴテゴテ獣と素朴獣、それはコインの表と裏なのだ。


では、液体大怪獣コスモリキッドは、そのどちらのラインに属する怪獣なのか。ひょうきんな見た目の相方=ライブキングに対して、ティラノサウルス型のボディにツノやトゲをあしらったコスモリキッドは、パッと見ではシンプルに二の線を狙ったデザインのように思える。子供が何も考えずに画用紙に描き殴ったような、いわゆる怪獣らしい怪獣だ。
しかしコスモリキッドは、ピープロ怪獣ではない。宣弘社怪獣でもない。装飾の殿堂こと『ウルトラマンタロウ』に登場する大怪獣なのだ。おそらく液体に変化する設定からの連想であろうブルーの体色は鮮やかに過ぎるし、これまた水からの発想だったのか謎の吸盤までついている。しかも無数に! さらに首から垂れ下がったエリマキ……エリマキなのか? とにかく謎のビラビラ! そしてバラゴンのキャラメル腹とゴモラのトゲトゲ腹を足して2で割ったようなブロック状の腹部ディテールも、これぞウルトラ怪獣! と拍手したくなる得体の知れなさがある。


そう、コスモリキッドは第2期ウルトラシリーズ然とした過剰なデコレーションが施されながらも、グッと色数を抑えることによってピープロや宣弘社の怪獣が持つプリミティブな魅力をも獲得せしめたのだ。ひょっとすると、その飾り気のない印象は錯覚かもしれない。だが処女っぽいのに、どエロい女って諸君も大好きだろ! コスモリキッドはそういう女……じゃない、怪獣なのです。


大怪獣シリーズ コスモリキッド 少年リック限定商品/エクスプラス

大怪獣シリーズ 「ライブキング」 少年リック限定商品/エクスプラス