大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

Judgment Day


ターミネーターシリーズが好きだ。ジェームズ・キャメロンの手による初期二作はもちろん、賛否両論ある3、4、5作目にも見るべきところがあると思っている。ただし、10年くらい前にやってた連続ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』、あれはあんまりピンと来ないまま最終回を迎えてしまった。
全人類を救うリーダーとして立ち上がる宿命を帯びたジョン・コナー少年を消すべく、未来から次々と送り込まれてくるターミネーター軍団! まさに絶体絶命の危機にあるコナー親子を救ったのは、なんと史上最強の美少女JKターミネーターだった! ……というジャパニメーションにも程がある胸キュン設定は、バインバインおっぱいのデカ女が便器に顔を突っ込まれる『ターミネーター3 』から考えれば、アメリカもここまで来たかと感慨深いものもあったけど、むしろハリウッド映画はあれでいいんです。萌えなくていいの。
まあ、『SUPERGIRL / スーパーガール』を観ながら、カーラちゃん可愛いすぎるじょおおお! とか悶絶しまくってる人間が、今さら何を抜かしたところで説得力がないかもしれんけど、いいんです。かわいいは正義なんて、極東の島国でだけほざいてればね。


ところでガラッと話は変わるけど、諸君は未来からの刺客に命を狙われたことがあるだろうか? 自分は、ある。このブログもいよいよだなと思ったろうが、そこはひとつシルバーマン先生のように寛大な心で受け止めていただきたい。
話は数年前に遡る。とあるドラマの制作発表記者会見に、取材陣のひとりとして参加していたときのことだ。会見終了後、複数の個別インタビューをこなしていた自分の前に、刺客は現れた。“彼女”が入ってきた途端、部屋の空気が一変したのである。あれが華、あるいはオーラなどと呼ばれるものなのかもしれない。芸能人として見た場合、決してずば抜けた美人というワケではなかったが、そこがかえって身近な存在に感じさせてくれた。
そう、これは錯覚だ。かつて街中で見かけたことも一度あったが、彼女以外のすべてが色褪せて白黒映像に見えた。常に人に見られることを生業にしている連中と一般人では、それぐらいの差があるのだ。まるで自分の学校のクラスにもいるような女の子がアイドルとして人気を博する昨今だが、実際のところはテレビでブス扱いされているアイドルと同レベルの子すらクラスや職場にはいない。一見するとリアルに思えるモビルスーツやレイバーが、現実には建造不可能なように。それでも男子は、いくつになってもまやかしのリアルに惹かれてしまうものなのだ。


閑話休題。この刺客の恐ろしいところは、姿かたちだけでなく、声や喋り方、そして細々とした反応に至るまで自分のツボを押さえていたことだ。ふと周りを見渡すが、彼女にメロメロになっているのは自分だけのようだった。帰ってきたウルトラマンが言うところの「……やはりそうだ。私の技を研究し、私を倒すために訓練されているのだが、負けないぞ」というヤツである。もっともウルトラマンは、そう心の中で呟いたのちに敗北する。
それから数ヶ月に渡り、デレデレしつつも疑いの目を持ち続けていたのだが、彼女がボロを出すことはなかった。同業者や編集者による目撃談、体験談も、自分の第一印象を補強することに一役買っていた。あまりにも完璧すぎる。間違いない、彼女は刺客だ。未来からやってきた史上最強の美少女JKターミネーターなのだ。一瞬でも隙を見せたら、あの可愛らしい腕は鋭い金属となって、この身体を貫くだろう。
しかし、そんな非の打ち所のない異性を前にして、果たして余裕を持って対峙することなどできるのか。たとえ自分が未来の救世主であったとしても、今はただのオッサンに過ぎないのである。もしも霊験あらたかな壺だと差し出されたら、うっかり貯金をはたいて買ってしまいそうだ。飛べと言われたら飛び、死ねと言われたら死んでしまいそうだ。


だが無力な諸君のためにも、自分は誘惑に抗い続ける。いつの日か訪れる審判の日を生き抜き、邪悪な機械文明に立ち向かえるのは、このガイガン山崎だけなのだから。ファック・ザ・マシーン。フォー・ザ・ヒューマン。俺は機械に操られない……おっと、ヤフオクからアラートメールが送られてきた。まったく便利な世の中になったもんだなあ。それじゃあ、今回の日記はこの辺で!


Terminator 2: Judgment Day – The Final Battle/REMCO