大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

一日一超獣(ガマス)


さて。ガシャポンフィギュアを塗るのはいいとして、どんな塗料を使えばいいのか? 『ウルトラマン超闘士激伝 ガシャポン大図鑑』には、サーフェイサーで下地を作ったあと、アクリル系塗料で塗っていくとあるが、これはちょっとキケン。こういった塩ビ人形に、水性アクリル系塗料(水性ホビーカラー、アクリジョン、タミヤカラー アクリル塗料、ファレホ、シタデルカラーなど)やエナメル系塗料(タミヤカラー エナメル塗料ほか)を使用すると、内側から可塑剤が滲み出してきてドロドロになってしまうのだ。


最近、PVC製の完成品フィギュアを買うと、外箱や説明書に「フタル酸エステル類は使用しておりません」と書かれていないだろうか。これが可塑剤である。いつの間にかフィギュアの表面がベタついてくる現象も、気化した可塑剤の仕業と言われている。まぁ、昨今は人体に有害ということが分かって、フタル酸エステル類の可塑剤は使用されなくなってきたのだが、90年代のガシャポンフィギュアには思いっきり使われている。


じゃあ、どうすればいいのかというと、もとより塩ビ(PVC)を塗装するために開発されたソフビカラーやVカラー、あるいはラッカー系塗料(Mr.カラー、ガイアカラー、フィニッシャーズカラーなど)を使えばいい。
ちなみにホームセンターなどで売っているラッカー系塗料は、模型界隈におけるラッカー系塗料とは成分が異なるようだから、迂闊に使用しないほうがいいだろう。かつてアサヒペンのメッキ調スプレーで、『ドクター・フー』のフィギュアをダメにしたことがある。


いやいや、わしはシタデルカラーで塗りたいんじゃ! ファレホで塗りたいんじゃ!というワガママな向きには、ちょっとしたウラ技があるぞ。ベンジン、もしくはラッカー系塗料に使うシンナー(Mr.カラーうすめ液、ガイアカラー薄め液など)に漬けて、可塑剤を抜いてしまえばいいのだ。先駆者のひとりである松本ミゾレさんにうかがったところ、ベンジンならば一晩漬けたくらいで効果が出るという話だったので、自分もそれに倣っている。ごく普通のベンジンで構わない、薬局やホームセンターで購入してくれ。
なお、ラッカー系のシンナーは、噂によるとベンジンほど強力ではないようなので、気持ち長めに漬けたほうがいいかもしれない。


ちなみに漬ければ漬けるほど小さくなっていく。おそらく可塑剤が抜けたぶん、フィギュアの質量が減っているのではなかろうか。『ウルトラマン超闘士激伝』の場合、あまりに縮み過ぎるとプラ製鎧がブカブカになってしまうため、本当に一晩でいいと思う。たったそれだけで明らかに固くなり、きちんと可塑剤が抜けていることが分かるはずだ。これでパーティングラインやゲート跡なども、プラモ感覚で削り取ることができる。で、そこからどんな手順で塗っていくと効率よし子さんなのか、それはまた明日以降の更新で!