かつてジャイアント馬場は、「リング上で行われるものは、すべてプロレスであり、K-1もまたプロレスの一部である」というようなことを語っていたそうだが、自分も怪獣に対して似たような感覚を持っている。クリーチャーもモンスターも怪人も怪ロボットも妖怪もUMAも巨大なツキノワグマも、ぜ〜んぶ怪獣。あーだこーだと理屈を捏ねて、それぞれを定義づけることも面白いのだけど、とりあえず人ならざるモノであれば、いっしょくたに“怪獣”と呼ぶようになった。最近は、そんなゆるい気分なのです。
しかし……しかしだ。こいつに限っては、いまだ怪獣と言い切る勇気が持てない。だって、ただの鬼だもの。青鬼だもの。いや、さっきの理屈を当てはめると、鬼も怪獣ということになるんだけど、それにしたって工夫がなさ過ぎる。鬼過ぎる。果たして怪獣とは何か？ クリエイティビティとは何なのか？ そんなことまで考えさせてくれる一体である。
