大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ほぼ一日一怪獣(オニバンバ)


ウルトラマンタロウ』といえば、一度も路線変更がなかったという話があるけれど、いわゆる番組強化に関する文書が作成されなかっただけであって、実際のところは細かい軌道修正がなされており、番組前半と後半では番組のテイストにも結構違いがある。
まず人喰いなどのプリミティブな恐怖感を煽るシーンがなくなり、人間どころか怪獣さえ殺される機会が激減していく。また、怪獣らしい怪獣が鳴りを潜め、人間の言葉を解す妖怪のようなコミカルな怪獣ばかり登場するようになるのも大きな変化のひとつだろう。


きさらぎ星人オニバンバは、そんな妖怪型怪獣の代表格である。石川賢のコミカライズ版のように、いくらでもSF仕立てにできる設定であるにも関わらず、「そうか! 宇宙人の正体は鬼だったのか!」という予想と正反対のセリフが飛び出してくる展開は、まさに『タロウ』最終クールの真骨頂。特にタロウが、ジャラジャラと升に豆を落とす様をハイスピードで捉えたカットから始まる一連のくだりは、人類史上最もカッコいい豆撒き映像に違いなく、これを観ずして節分やウルトラマンを語ることはできないのであります。


HG原色ウルトラ怪獣大百科その3 鬼スペシャル きさらぎ星人オニバンバ/バンダイ