大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

改造ネオキングマガゼッパンドン


パンドンといえば、デザイン画と造形物で大きくイメージの異なる一体だ。当初は、もっと分かりやすい双頭怪獣として作られていたものの、何らかの事情で現在のような形になったという。当時の技術では、同時に2本の首を動かすのが難しかったとの話もあるが、単純に両手を入れればよかったんじゃないの? と思ってしまうし、そもそも怪獣の首なんて動かないことのほうが多い。横を見るとき、身体ごと横を向くのが怪獣じゃないか。なんか、後付けっぽいというか、急に取ってつけた理由のように感じる。


なお、この改修はメインで造形を進めていた高山良策ではなく、現場スタッフの手によるものとされており、デザイナーの池谷仙克は事あるごとに不満を述べていた。そりゃあ生みの親からしてみたら、勝手に変えやがって! と思うのも無理はないが、あのトンカツみたいなパンドンに見慣れた側からすると、元デザインよりも独創性があってカッコいいじゃんと思ってしまう。引きの画ではのっぺらぼうのようにも見える、控えめなサイズの目ン玉もいい。どことなくフリーキーで、実にセブン怪獣らしい魅力を持つ一体だ。


ところが『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』のネオパンドン然り、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』のキングパンドン然り、ゼロ年代以降はデザイン画準拠のスタイルで登場することが定番となってしまった。キングパンドン、4回くらい出てるんじゃないの。『ウルトラマンオーブ』のマガパンドンで、ようやく着ぐるみがトンカツ状態に戻されて安心したけれど、そもそもオリジナルデザインを尊重する形で復活させるならば、パンドンよりもキングジョーのほうが相応しかろう。だってこっちは、単純に付け忘れだったんだから。黒く塗ったり、ビームライフルを装備させるより前に、膝に円筒の突起パーツを取り付けてあげたほうが、キングジョーも喜んでくれると思います。ね?


プレイヒーロー対決セット キングパンドン / バンダイ