大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

怪獣を生み出す仕事 -世界的造形師のトークライブ-


去る10月13日の土曜日、瑞穂町郷土資料館にて村瀬継蔵御大のトークライブが開催された。村瀬御大といえば、超獣、恐獣、ドルゲ魔人の生みの親であり、我が家工房において最もリスペクトされている造形師だ。これは匠の技術を取り込む絶好のチャンス! そこで床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)を誘って、はるか西多摩郡まで足を伸ばしたのだった。


結局、肝心のトークライブそのものは、近所のお爺さんお婆さんがメインの客層だったこともあって、怪獣よりも劇団四季三鷹の森ジブリ美術館の話題が多かったんだが、休憩時間に流された『クレクレタコラ』関連のメイキング映像が、素晴らしく示唆に富んだ内容で、これまで考えたこともなかった新怪獣の大いなるヒントになった。


その後、無事にイベントを終えた郷土資料館は、さながら村瀬継蔵サイン会の会場と化していた。しかし、我々が求めているのはサインではない。言葉だ。教えだ。我が家ゴンについての助言が欲しかったのである。実際、村瀬御大は太っ腹な方で、どんなことを尋ねても快く答えてくれた。我が家工房は、無数の善意によって支えられているのです。


まあ、自分は心が狭い人間なので、具体的なアドバイス内容については伏せるが、会場に展示されていたキンゴジの皮膚については書いてもいいだろう。ウレタンとウレタンの間に挟まれた、ボール紙のようなものが気になったのだ。その正体は、ラテックスを塗ったヘッシャンクロス。*1 もちろん、着ぐるみの強度を高めるための細工で、現在であればサンペルカを使えばいいとのこと。う〜ん、ここは勉強になるインターネッツですね。

*1:これに似たような話として、開米プロではラテ皮の裏打ちにドンゴロスを貼っていたと聞いたことがある。開米製の怪獣は、他社のものと比べても抜群の耐久性だったという。ドンゴロスもヘッシャンクロスも、麻布の一種だ。