大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

グレートウォール


我が家工房の唯一(?)にして最大の弱点、それは壁がないこと。まあ、塗料や溶剤の臭いがこもらなかったり、吹きさらしだからこその利点もある。さらに2階のベランダが屋根代わりに、物置や塀が壁代わりになっていて、しかも工房そのものは奥まったところにあるため、その隙間をブルーシートなどで塞げば台風すらしのげるのだ。元が自転車置き場であったことを考えたら、充分すぎる環境だろう。これで文句を言っていたら罰が当たる。しかし、それでも冬は寒い。寒すぎるのである。手がかじかんでは、何もできまい。


そこでブルーシートを利用した防風カーテンを作ろうということになった。少し肌寒くなってきた10月頃には、すでに計画が立っていたと思う。しかしカーテンを掛けるポールを固定する術が見つからない。どこにも引っ掛ける箇所がなく、物干し竿の支柱では背が低すぎる。これはどうしようもないなあと諦めかけていたんだが、改めて工房を見回したところ、天井のへりに一点だけ棒を差し込めそうなところを発見! 物置の屋根から4mほどの金属棒を渡せば、なんとかなるんじゃないかということに気がついたのだった。


そうと分かれば、善は急げだ。こういうときの床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)は心強い。自分は、どちらかといえばアイデアマンの部類に入るとは思うんだが、同じくらい理屈っぽい人間がいたら、ちょっと待て! と制止されるような思いつきも多い。今回も内心、流石に無茶かなあと思ったりもしたんだが、床山皇帝は何も言わず、高いところが苦手なのに物置の上に登ってくれた。で、途中で塀から降りられなくなるというトラブルもありつつ、なんとか無事にブルーシート・カーテンを掛けることに成功するのだった。


別に新怪獣ができたわけでもないのに、得も言われぬ達成感に包まれるふたり。そして、世の中にはタイミングのいい人もいるもんですね。ちょうど取り付け作業が終わったところで、お酒を片手に大内雷電@Ohuchi_RYDEEN)くんが陣中見舞いにやってきた。こうなったらもう、着ぐるみなんか作ろうという気にはならん。Wall of Lifeの完成を祝して、明け方まで飲み明かすことになった。しかしブルーシート1枚で、こうも温度が変わるものなのか。どれほど暖かくなったのかといえば、大内くんが死を恐れず寝ちゃうくらいだ。眠れ眠れ。お前が静かに眠れる世の中が、平和で一番すばらしい時――。