大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

キング・オブ・モンスターズ

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ハリウッドのゴジラ監督を総括すると、「コレ、オ好キデショウ?」とゴージャスな懐石料理を振る舞ってくれたのがマイケル・ドハティなら、深海魚の活き造りを控えめに押し付けてきたのがギャレス・エドワーズ。研究熱心なドハティを邪険にはできないが、個人的に波長が合ったのはギャレスのほうだ。そしてローランド・エメリッヒは、眉ひとつ動かさずにカリフォルニアロールを出しきたという感じか。誤解のないように付け加えておくが、カリフォルニアロールはけっこう美味しい。寿司なんて食いもんなんだから、そこには美味いか不味いかしかないハズなんだけど、誰もが「そもそも寿司とは……?」みたいな議論を始めてしまうため、なかなか正当な評価を得ることができないだけなのだ。


例によって、またエメリッヒの話になってしまった。しかしエメゴジ発の尖った背びれは、日本のミレゴジに受け継がれ、ギャレゴジでも踏襲され、何でもかんでも尖っていて欲しい自分としては喜ばしい限りだったんだが、また昔ながらの形に戻っちゃったなあ。ドハティは、かなりゴジラファンであることがうかがえるけど、どこの世界もマニアは保守的なものなんだろう。ちなみにNECAのドハゴジは、ドライブラシが効いていて、フィギュアとしてはギャレゴジよりもカッコいい。ただ、ちょっと砂を被った象さんっぽい色合いだったので、Mr.ウェザリングカラーでステイニングしたりして、“背びれを明滅させながら突っ込んでくる黒い塊”みたいな第一印象に近づけてみた。所要時間は、約2時間。


そうそう、賛否両論のラストシーンだけど、自分はけっこう気に入っている。むしろアレがあったからこそ、それまでのトンチンカンな展開も飲み込めたというか、一気にバカ負けしてしまった感すらあった。なんとなく場の雰囲気に流されて平伏してるムートー*1ラドンを尻目に、1匹だけゴジラにメンチを切り続けている怪獣がいる! そいつはコング! キングコング! 怪獣たちの王は、ここにもいる!! ……で、エンディングに雪崩れ込めば完璧だったのに。さらにエンドロールの合間に「あん? てめー、ゴジラさんに従えないってのか」「時代はゴジラさんなんだよ」「そうだそうだ」と突っかかっていったマンモスゴン(仮)やラドンが、あっさり顎を引き裂かれ返り討ちに遭うオマケシーンがあれば、なおよかったね。いずれにせよ『Godzilla vs. Kong』、非常に楽しみです。

*1:富士山から復活した怪獣は、きっとこいつだ。気の弱い日本人は、いつだって空気を読む。