大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

荒野を走る死神の列


XがまだTwittertだった頃、琵琶湖の南に金目教という怪しい宗教が流行っていたり、あちこちで大規模なオフ会が開かれたりしていた。Twitter黎明期に始まった、ミゲルふとし(@migelfutosi)主催のプラモオフもそのひとつ。区民センターの会議室などを借り切り、ひたすら積みプラをパチ組み*1 していくだけのストイックな内容でありながら、一時は2、30人の大所帯になっていたと記憶している。なんで少し曖昧な記述になっているかというと、最後に参加したのが7年くらい前のことだからだ。その後もぼちぼち開催はしていたのかもしれないが、程なくしてコロナ禍になってしまったので、長いことやっていなかったのは間違いない。で、久しぶりにミゲルふとしと会う機会があったので、無責任にも「プラモオフ、久しぶりにやろうぜ!」と提案しちゃったのだ。言うは易く行うは難し。あれから中心メンバーを取り巻く環境も変化しており、結婚した人もいれば、転職した人もいるし、そこそこ責任のある立場に出世した人もいるだろう。もちろん、すっかり疎遠になっちゃった人もいたりするわけで、ちょっと腰の重くなる話を持ちかけちゃったかなとも思ったんだが、なんと1ヶ月もしないうちにン年ぶりとなるプラモオフの開催が決定! どうも自分だけでなく、各所から要望が出ていて、まずは10人以下の小規模な会合としてリスタートさせることになったらしい。いずれにせよありがたい話です。

さて、そうと決まれば、今度は持っていくキットの選定である。いつもはHGUCの山から2コくらい見繕っていくんだが、久々のプラモオフということで、柄にもなくはりきってMGのリック・ドムをチョイス。数年前、再販の報を受け、新宿の量販店をしらみ潰しにして手に入れたもの*2 だ。昼過ぎに集まって、晩飯どきにお開きという制作時間を考えるとギリギリな気もしたけれど、なんとか間に合わせることができた。ただ、ろくにゲート処理もしていなかったので、帰宅後はスポンジチッピングでゲート跡を誤魔化すことに。筆やナイフを用いた古式ゆかしいハゲチョロ塗装の経験はあったものの、どうしたって自分のスキルでは作為的な仕上がりになってしまうため、勝手にランダムな傷跡ができる手法には前から興味があったのだ。ちなみに、メラミンスポンジにサッシ用の隙間テープを貼り付けたものが使いやすいとのこと。しかし今回は完成を焦ってしまい、とりあえず100均で買ってきた台所用スポンジを千切って、水性ホビーカラーの焼鉄色とシルバーでチョンチョンチョン。おまけにリアルタッチマーカーのブラウン1でサビサビサビ。足元から順番に攻めていったんだけど、胸のあたりでようやく自然に仕上げるコツを掴めた気がする。いくらなんでも傷つき過ぎだろう、これは。でも一年戦争の末期ともなれば、このくらい疲弊した状態で戦い続けてたドムもあったんじゃないの。いや、おれの宇宙世紀ではあった。ありました。まあ、そのくらいの気持ちでいこうや。(所要時間13分)


MG 1/100 リック・ドムVer.2.0 / BANDAI

*1:公共施設を借りる都合上、塗料の類の使用は禁止されていた。でもまあ、これが逆によかったんじゃないか。世の中にはパチ組みで済まさなきゃいけない理由でもないと、気軽に手をつけることができない人間だっているのだ。

*2:そんな苦労の末にゲットしたものなのに、手元にあると安心していつまでも組み立てずに積んでしまう。これはプラモあるあるなので、決して責めちゃあいけない。