大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

怪獣

ゴジラ プラマイ0

ハリウッドかぶれの自主制作映画少年だった頃、『VERSUS -ヴァーサス-』の北村龍平と『リターナー』の山崎貴は、どこか憧れにも似た親近感を抱かせる映像クリエイターであった。今となっては気恥ずかしさすら覚えるハリウッド大作からの丸々いただきカットも…

特別展 恐竜図鑑 | 失われた世界の想像/創造

近ごろ、愛犬の体調がすこぶる悪く、ほとんど寝たきりでいつ死んでもおかしくない状況であるからして、なかなか外出できない感じなんだが、なんとか滑り込みで行ってきた。 まだ恐竜が尻尾を引きずっていた「旧復元」時代の古生物美術を中心とした展示会で、…

うれてくれ!

新番組『ウルトラマンブレーザー』が始まった。一言でいえば意欲作。これまでのニュージェネレーションシリーズとは打って変わって、ウルトラ戦士のタイプチェンジを廃止しての新怪獣ぞくぞく登場路線になっており、円谷プロもバンダイも、そしてもちろん、…

レッド・アンド・ブルー

ここ数年、ずっと気になっていることがある。レッド族とシルバー族について、多くのファンが誤った認識を持っている件だ。さらにブルー族まで話を広げると、円谷プロですら勘違いしている節がある。まあ、後者に関していえば、その発端に誤解があろうがなか…

早過ぎた葬送曲

どうしたことだろう……なんて狼狽えるのも失礼な話だけど、第3話を迎えてもなお『ウルトラマンZ』が面白い。特にゴモラの扱いがよかったね。『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』も『ウルトラマンX』も好きな作品だが、完全に定着しつつあったゴモラのベビー…

驚異のロボット誕生

『ウルトラマンZ』、ウルトラ面白かったなあ。新怪獣のゲネガーグに関しては、ヤマプロやヨコプロのコラージュ系パチ怪獣を思わせる変なボディバランスがいいなと思ってたんだけど、最近のガンプラみたいにスジボリが入りまくったセブンガーまでいい感じだっ…

キング・オブ・モンスターズ

ハリウッドのゴジラ監督を総括すると、「コレ、オ好キデショウ?」とゴージャスな懐石料理を振る舞ってくれたのがマイケル・ドハティなら、深海魚の活き造りを控えめに押し付けてきたのがギャレス・エドワーズ。研究熱心なドハティを邪険にはできないが、個…

いのち懸けたトランスフォーム

ガレージキットの祭典、ワンダーフェスティバル2019[冬]に行ってきた……と書きたいところだけど、珍しく行くことが叶わなかった。ことごとくタイミングの悪い愚弟が、よりにもよって結婚式をバッティングさせてきたのである。こういうとき、ビシッとワンフェ…

声に出して読みたい日本語、プレデター界

『ザ・プレデター』、最高だった。ダークホースのプレデターコミックにありそうな一発アイデア勝負の筋書きは潔く、またシェーン・ブラックとフレッド・デッカーが手掛けているだけあって、かの傑作『ドラキュリアン』にも通ずるところがあったように思う。…

家で検品するまでがワンフェスです。

『ワンダーフェスティバル2018[夏]』、行ってまいりました。8月の『C3AFA TOKYO 2018』は、スケジュール的に無理っぽいため、これにて夏のイベントは終了! あとは働いて働いて働いて、ヤフオクとセカイモンの日々となることだろう。もちろん、我が家工房は…

夏はウルフェス!

床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)、大内雷電(@Ohuchi_RYDEEN)くんと連れ立って、『ウルトラマンフェスティバル2018』に行ってきた。お目当ては、ライブステージに登場する新怪獣カミソリデマーガ。デマーガって、地味過ぎてピンとこなかったんだけど、ここまで…

土日まで使ってやる仕事

本郷直樹も歌っていたが、*1 この世には、あらゆるプラモがある。この頃はやりの女の子や王道のメカニックはもちろん、餃子のプラモなんてものも存在するのだ。ドラム缶だって、いろんなメーカーから発売されている。しかも検索してみたら、1/12スケールとい…

ショッカーの毒水計画

S.H.Figuartsにて、待望の地獄大使が発売された。昭和ライダーシリーズの敵キャラクターが発売されたのは、(ショッカー&ゲルショッカー戦闘員を除くと)5年前のアポロガイスト以来だろうか。*1 まあ、本当は大幹部でも何でもない怪人たちが、次々と商品化…

改造ネオキングマガゼッパンドン

パンドンといえば、デザイン画と造形物で大きくイメージの異なる一体だ。当初は、もっと分かりやすい双頭怪獣として作られていたものの、何らかの事情で現在のような形になったという。当時の技術では、同時に2本の首を動かすのが難しかったとの話もあるが、…

ほぼ一日一怪獣(ゴジラ2016)

『シェイプ・オブ・ウォーター』は、もしもジュリー・アダムスがギルマンに振り向いてくれていたら……という幼き日のギレルモ・デル・トロの願いから発想された映画だったというのは有名なエピソードだ。もちろん、オリジナル版『キング・コング』がそうであ…

ほぼ一日一怪獣(ギルモス)

新たな半魚人を創造する際、ギルマンの意匠を一切使わずに成し遂げることは難しいと書いたことがある。成田亨は、ラゴンについて「ごく当たりまえに半魚人をデザインしたものです」と述べていたが、つまり1965年の段階で、すでにギルマンは半魚人のスタンダ…

ほぼ一日一怪獣(リジー)

ロック様ことドウェイン・ジョンソンの主演映画『ランペイジ 巨獣大乱闘』には、ゴリラとオオカミとワニの巨大モンスターが登場する。インドネシアのバビルサよろしく、上顎から脳天めがけて歪曲した牙を生やしているワニのリジーが、現段階ではお気に入りの…

ほぼ一日一怪獣(ジレンマ)

去年、KAIJUとGIANT MONSTERの境界線が曖昧だった時代について書いたけれど、自分の幼少期……すなわち80年代後半から90年代にかけて、日本の怪獣にもクリーチャー的表現が導入されるようになった。もちろん、向こうの人間からすれば、そんな些細な生物学的な…

ほぼ一日一怪獣(ダストパン)

去る3月28日、科楽特奏隊の新譜『怪奇と正義』が発売された。科特隊の面々とは同年代で、特にベース担当のモロボシ・ディンこと大内雷電くんは、日本大学藝術学部 文芸学科における同期生だ。まあ、そんな縁もあって、今回はライナーノーツに寄稿させてもら…

ほぼ一日一怪獣(バードン)

先日、まだ高校生だったがゆえに『ウルトラマンコスモス』の世界観に強い拒絶感を覚えたという話を書いた。十代の半ばから二十代前半にかけて、自分は一種の反抗期だったように思う。母親に暴言を吐いたり、父親に殴りかかったすることこそなかったが、ある…

ほぼ一日一怪獣(スコーピス)

どこからどう見てもガーシムだが、日本の着ぐるみ怪獣らしいスタイルに落とし込む過程で独自性を手に入れ、単なるエピゴーネンの枠からはみ出すことに成功したスコーピス。この足回りの処理は、意外と思いつきそうで思いつけないものではなかろうか。 また、…

ほぼ一日一怪獣(ドリームギラス)

かつて芸術大学に通っていた自分の周りには、決して少なくない数の自称・霊能力者がいた。きっとあるはずの才能を信じて大学に入ったはいいが、そんなものはなかったと気付かされたり、とてつもない本物の天才に打ちのめされたとき、彼らは目に見えない力に…

ほぼ一日一怪獣(ネオザルス)

当ブログのプロフィール欄に書かれた「超獣紋太郎 何処へ行く」なるフレーズは、『ミラーファイト』の一篇「怪獣紋太郎 何処へ行く」のもじりだ。三度笠と道中合羽を身にまとい、長楊枝をくわえて孤独な旅を続けていた“怪獣紋太郎”こと恐竜アロザ。その道す…

ほぼ一日一怪獣(スパイダウロス)

蜘蛛といえば、怪人モチーフの花形だ。もちろん、ライダー怪人第1号である蜘蛛男がいたからこその立場ではあるものの、8つの目、8本の足、蜘蛛の巣と、ひと目でそれと分かる特徴的なパーツが多いことも人気の理由のひとつと言っていいだろう。変な話、身体…

ほぼ一日一怪獣(銀エビ)

リアルタイム世代には、いまいち評判の悪いハカイダー四人衆。しかし、光明寺博士の脳髄という実質的な人質によって優位に立っておきながら、周囲には正々堂々たる立ち振舞いを強いるワガママ……もとい天然ボケっぷりを遺憾なく発揮するハカイダーよりも、純…

ほぼ一日一怪獣(ウルクスス)

モチーフは、ウサギとクマだろうか。モンスターハンターシリーズのモンスターって、メインどころはシンプルなドラゴンやトゲトゲを生やした獣脚類ばかりで、いまいちオリジナリティが感じられないんだけど、一方で魚や小動物のように人間と絡みにくそうな題…

ほぼ一日一怪獣(サマエル)

横井軍平が言うところの「枯れた技術の水平思考」ではないけれど、大作映画のメイキングを観たり読んだりしていると、VFX全盛期の現代においてもSpFX時代に培われた創意工夫は活きており、またアニマトロニクスやミニチュアといったアナログな技術そのものも…

ほぼ一日一怪獣(アクバー提督)

絶賛! 酷評! 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』! ってなもんで、昨年末から「どうでした、今度の新作?」と訊かれまくってるわけですが、可もある不可もあり……つまりいつもの『スター・ウォーズ』である。昔から反乱同盟軍は行き当たりばったりだった…

ほぼ一日一怪獣(ドラゴンキング)

今日も今日とて、『流星人間ゾーン』の話は続く。いつから「一日一恐獣」になったんだか知らんが、このドラゴンキングの復刻ソフビは、まんだらけで3000円もしなかったと記憶している。昨日のゲルデラーもそうだ。まあ、3000円のソフビを安いと見るか高いと…

ほぼ一日一怪獣(ゲルデラー)

恐獣のデザイナーについて、さらに書く。あれは2015年の秋頃だっただろうか。『流星人間ゾーン』の造型に携わっていたツエニーの工房で、なんとスパイラーとワルギルガーのデザイン画が見つかったとの報告があったのだ。それぞれの足元には、井口昭彦のサイ…