大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ほぼ一日一怪獣(スコーピス)


どこからどう見てもガーシムだが、日本の着ぐるみ怪獣らしいスタイルに落とし込む過程で独自性を手に入れ、単なるエピゴーネンの枠からはみ出すことに成功したスコーピス。この足回りの処理は、意外と思いつきそうで思いつけないものではなかろうか。
また、それまでのコスモス怪獣から排除されていた攻撃性が、全身のトゲとなって現出しており、こいつらまで保護しようと言い出したらコスモスさん、あんた本物だぜ……と思っていたら、何の葛藤もなくボコボコ倒しまくってて、お前、そういうところだぞ。


怪獣を倒さない、優しいウルトラ戦士というコンセプトそのものは悪くないけれど、これを1本の映画ではなく、1年間のTVシリーズにしようと思ったら、もうちょっとテーマと真剣に向き合う必要があったんじゃないのという印象は、あれから十数年経った現在も変わらない。もちろん、未だに『ウルトラマンコスモス』が大好きだという直撃世代の気持ちに水を指すつもりはないし、自分も幼稚園児だったら、怪獣たちが仲よく暮らす鏑矢諸島に魅力を感じたかもしれんなあとも思う。ただ、もう高校生だったからね。カオスゴルメデやカオスバグにとどめを刺すとき、一瞬躊躇するくらいの繊細さが欲しかったのだ。


ウルトラヒーロー &怪獣シリーズ ウルトラマンコスモス編 怪獣兵器スコーピス / バンダイ