大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ほぼ一日一怪獣(ドリームギラス)


かつて芸術大学に通っていた自分の周りには、決して少なくない数の自称・霊能力者がいた。きっとあるはずの才能を信じて大学に入ったはいいが、そんなものはなかったと気付かされたり、とてつもない本物の天才に打ちのめされたとき、彼らは目に見えない力に救いを求めたのではあるまいか。霊感は、芸術的センスや実績の代替物だったのだ。
当時、今よりもずっと性格の悪かった自分は、そういった0能力者を見つけると、ミスター・スポックのごとく理詰めで責めまくったものだが、これもまた己の才能に自信を持てない若者ならではの行動、一種の弱い者いじめだったように思う。あまり勉強のできる子が集まる学校ではなかったため、ささやかな知力で差別化を図ろうとしていたのである。


そういえば、霊能力者を信じる者が後を絶たない原因は、人々の教育コンプレックスにあると語っていたのは大槻ケンヂだったっけ。すなわち学力テストという合理的手段によって優劣を決められ、落ちこぼれと見なされてしまった者たちにとって、理屈で割り切れない超自然現象を信じることは、学校教育に対するカウンター行為なのだという理屈だ。
まあ、日本みたいな教育熱心な国でなくとも心霊詐欺の類は存在するし、オウム真理教に高学歴者が多数在籍していたことから考えるに、ちょっと無理くりな説という気がしなくもないが、ある一定の説得力は感じる。義務教育もそこそこに、それこそ才能だけを頼りに生きる芸能人の背後に、怪しい占い師がチラついたりする理由のひとつはこれだろう。


また、芸能人の場合、いつ世間からそっぽを向かれるか分からない恐怖を抱えているため、そういった不条理に不条理で対抗しようと考えてしまうという側面もあるかもしれぬ。しかも人気者であれば、不規則な生活から幻聴や幻覚に苛まれやすい。幻を幻として認識していなければ、超自然現象に対して肯定的になったとしても不思議ではない。
霊能力者に限らず、コンタクティ、チャネラーといったスピリチュアルな方々の大半は、確信犯的な詐欺師、あるいは虚言癖の持ち主だろうが、実際に何かを見たり感じたりはしている=それが幻覚だとは気付いていないパターンもあるはずなのだ。一応、神のような超越的存在や宇宙人からのアプローチが実在したという最も低い可能性も挙げておくか。


で、“あの子”が言うところの大川隆法総裁先生も、先に挙げた3パターンのいずれかだと思うんだが、それでも彼女のいい子っぷりの根本には、大川の教えがあるような気がしてならない。どんな宗教でも騙さない、殺さない、盗まないといった道徳観念を説いているはずで、それが染み付いてるからこその性格のよさというのはあるんじゃないか。
いずれにせよ子供の頃からの刷り込みというものは馬鹿にできない。自分がゼットンよりも超獣ドリームギラスのほうがカッコよく思えるように、彼女にとって幸福の科学は信じるに足る存在なのだ。どんなに奇妙に思われても、それは変わらない。そもそも宗教とは正しい正しくないではなく、信じたいから信じるというものだろうし、正しいことが人を救うとは限らない。強大な力に苦しめられる宇宙の民を救うきっかけは、いつだってカーク船長の非論理的な行動にあった。実際、今の彼女は幸せそうだ。中野のミスター・スポックとしては、陰ながら超獣と……じゃなかった、長寿と繁栄を祈るばかりである。


怪獣天国 夢幻超獣ドリームギラス(3期)/メディコム・トイ(マーミット)