大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ツインジャーが死ぬ時! 竹芝は沈没する!


2024年、最後の怪獣営業は「アメイジング商店街V9」。第1回から参加し続けているフリマ系イベントだが、いつぞやの「アメイジング商店街 映画部」「アメイジング・チャリティ・マーケット」では、ここ一番の盛り上げ役としてバラモンキングを呼んでもらった。今回は予算の都合もあってウイップ星人*1 を連れて行ったが、それでもヒーローと並ぶと段違いのボリュームで、なかなかの存在感を発揮できたんじゃないかと思う。とはいえ、いつもいつも奇襲ばかり仕掛けていて、そろそろローカルヒーローの皆さんから嫌われそうだったので、とりあえず顔見知りのツインジャー(@haihuxa_)とホープハート (@hopeheart_hero)には、Twitter(現X)で殺害予告を出しておいた。これで準備は万端。心置きなく奴らの命を奪うことができました。惜しむらくは、この戦いに向けて強化改造された金棒に仕込んだ4連クラッカー*2 をぶっ放せなかったことか。見たかったなあ、化繊のハッピに火がつき、一気に燃え上がり果てるツインジャー!(所要時間11分)

*1:強化に強化を重ねて巨大になったバラモンキングは、もはやハイエース級のワンボックスカーでないと輸送できなくなってしまったのだ。ウイップ星人であれば、ミニバンでもお釣りが来るんだけれど。

*2:賢明なる読者には不要な説明だろう、要はケットル星人の槍をリスペクトしてのパワーアップである。もっともメインの改造目的は、もっと取り回しをよくするための持ち手の延長だったんだが、それだけに終わらないのが我が家工房だ。

なつかしい歌が聴こえる


ドラクエ話は続く。今回、モンスター周りで少し話題になったことといえば、ホロゴーストの名称変更の件が挙げられると思う。その理由は明らかにされていないが、ナチスによるホロコーストを彷彿させる名前だったからというのが大方の見解だ。おそらくホロゴーストとは、Holographic ghostを意味するネーミングで、当時のスタッフがホロコーストを意識して名付けたものかどうかは確認のしようがない。まあ、ドラクエのネーミング傾向から考えると、なんとなく語感がよくてそうしただけのような気がしなくもないが、どうしてそれがしっくり来るのかといえば、誰もが学生時代にナチスの所業を習っていて既知の響きだったからだろう。また、英語圏に生きる人々が、Hologhostという綴りを見て、Holocaustのもじりと直感するかどうかは分からないものの、2005年発売の『Dragon Quest VIII: Journey of the Cursed King』以降、海外ではSilhouetteという名前で登場するようになっているのは確かな話らしい。日本においては、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の発売に先駆けて、まず10月23日に大型アップデートが配信された『ドラゴンクエストX』、そして『ドラゴンクエストウォーク』も10月25日のアップデート*1 で、ホロゴーストはシルエトに変更された。シルエトよりもシルエットのほうがドラクエっぽい気がするが、もう変わっちまったもんは仕方がないか……。急に赤くなったり、思い出したように緑に戻ったり、前から扱いの適当なモンスターではあったしね。

ちなみに、この手の名称変更は珍しいことではなく、過去にもさつじんきがごろつきに修正されたことがあった。ただし、HD-2D版をはじめ、初出タイトルである『ドラクエIII』のリメイク作では、さつじんきのままになっている。正直、こいつに関しては気にしすぎというか、どういう基準でNGになったのか釈然としないものがあるな。今回、ゴールドマンがおうごんまじんにされたことも同様だ。確かにゴールドマンといえば、ゴーレムの色替えパターンのほうがポピュラーだし、この系統はようがんまじんひょうがまじん、あんこくまじんと魔人で統一される傾向にあったし、おうごんまじんのほうが自然っちゃあ自然ではある。しかし、そういった違和感もキャラクター性の一部だと思うので、個人的には受け入れがたい*2。また、2022年からダークホビットもダークポックルに変更されていることをご存知か。こちらも理由は伏せられているが、ホビットがJ・R・R・トールキンの創作物だからだろうという見方が支配的だ。実際、D&Dシリーズはトールキン財団の抗議を受けて、ホビットに代わりハーフリングを創造している。ドラクエも、昔からホビットをよく出してたんだが、最近はそれをドワーフに差し替えるのが通例*3 になっており、今回はオルテガの従者やノルドがドワーフになっていた。もっともノルドに関しては、以前からドワーフの間違いじゃないかと言われてたし、従者は従者で兜を鍛え直すエピソードが追加されたことで違和感も最小限に留められていたように思う。ほら、モンスター以外のことでは、途端に物分かりがよくなるんだよボカァ。(所要時間14分)

*1:星のドラゴンクエスト』と『ドラゴンクエストタクト』では、現在に至るまでホロゴーストのままだったりする。いずれもサービス終了には至っておらず、頻繁にアップデートもされているため、どうして修正されないのか分からない。

*2:ウルトラマンジャック然り、オプティマスプライム然り、この手のネーミング変更は、初出から時間が経てば経つほど大きな反発を生むものだ。個人的には5、6年以内が限度だと思う。

*3:ドラクエの原点であるウィザードリィシリーズには、何故か当たり前のようにホビットが出てくるので、それに倣ったのかもしれない。ただ、(『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』で)ドワーフ村に改められたロザリーヒルには、流石に違和感を覚えたなあ。

すてきな旅のために


HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』、裏の裏のボスまでやっつけた。すべてのアイテム、はぐれモンスター、ちいさなメダルを集めきり、あらゆるじゅもんととくぎも覚えたので、これでおしまいにしちゃっていいんじゃないかな。自分はドラクエファンであると同時に鳥山明ファンでもあるので、何がなんでも見下ろし視点のドット絵じゃないと嫌だ!ということはなく、近年(でもないか……)の3Dグラフィック化に伴うシンボルエンカウント式なんかにもすんなり馴染んだほうだと思うんだが、一方で道行く人すべてに話しかけたり、タンスやツボをくまなく調べたりといった当たり前の行為を億劫に感じるようになり、いつしかプレイスタイルに変化が生じてしまっていたのも事実。そういう意味では『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』みたいな方向性のフルリメイクでなくて本当によかったと思う。オルテガやロト装備にまつわる追加エピソードも、概ね悪くない。過去の小説やゲームブックなどで使われていた設定を拾ってきただけで目新しさはなく、ボリュームも控えめだったが、だからこそ違和感も少なかった。

ただ、ネクロゴンドで戦うレヴナントは、ネーミングがドラクエっぽくないだけでなく、『ドラクエIII』には出てこないヘルビースト*1 の色違いで閉口した。サタンパピー……は、ナイルのあくまで使ってるから被るけど、たとえばライオンヘッドのカラバリでもよかったんじゃないかしら。各タイトルと登場モンスターって、プレイヤーの中で完全に紐づいちゃってるものなので、せめてロト三部作から選ぶべきだったと思う。余談だが、『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』でもドラキーマやねこまどう、あくましんかんがメインキャラクターとして出張ってきて、とんでもない違和感に襲われた。それぞれテベロ、ひとつめピエロ、だいまどう辺りでいいじゃないか。これは近年の変身ヒーロー番組にも通ずる話だが、送り手はもちろん、受け手も敵なんかどうでもいいと思ってる人のほうが大半になってきてるんだろう。おれに言わせれば、マーニャや女戦士のコスチューム変更よりもヒューマノイド系モンスターの指の本数が、しれっと5本に修正されてることのほうが気になるんだぜ。誰も問題にしてないけれど……。

たぶん、近年になってゾーマの指が5本に改められたことは、けっこう多くのファンが気付いてるんじゃないかと思う。しかし、実はギガンテスやバーサーカー、ほのおのせんしみたいな雑魚モンスターもそうなってきているのだ。リカントなんて狼男なんだから、逆に4本指じゃないと変*2 だと思うんだが、そんなことはお構いなし。特に立体物はその傾向が強く、なんとグレイトドラゴンまで5本指にされていることがあった。ここまでくると、もはや部落差別への配慮なんか形骸化していて、ただただ機械的に手を入れてるだけじゃんと非難されても言い返せまい。そもそもヒューマノイド系モンスターだって、本当に5本指にする必要があるのか? ピッコロ大魔王を例に挙げるまでもなく、鳥山明はヒトではないキャラクターを描く際、一種の記号として4本指を多用する。実際、ミイラ男やグールといった一部のアンデッド系は5本指で描かれているが、エリミネーターは4本指だ。つまり前者はヒトの成れの果てで、後者はヒトのように見えるが、れっきとした魔物であることを意味している。どんなデザインにも意図というものが存在するのだ。

で、そうなってくると、ブラックマージ(しりょうつかい)の話は避けて通れまい。明らかにブードゥー教の司祭、あるいはアフリカの呪術師をイメージしたヒト型モンスター*3 で、これは無意識の差別の発露以外の何物でもないだろう。ドラクエだから肌の色はどうとでもなる*4 が、ステレオタイプの象徴ともいえる厚ぼったい唇までなくすとデザイン的にバランスが悪い。そんなことをするくらいならば、しりょうつかいの系統はもう出さないほうがいい気がする。また、それでいうと今回、ボストロールの唇まで取ったのはやり過ぎだったと思う。同じ取るにしても、もう少しやりようはあったはずで、ただただセンスと敬意のない改変に感じちゃった。男女をルックスAとBに変えておきながら「そなた よく見れば 女ではないか」みたいなセリフが残ってるのもそうだし、土壇場で横槍が入ったことを邪推したくなるほど、本作は作り込みの甘さが目立つ。基本的には但し書きでも添えて、なるべくそのまま作り直すのがリメイクの本道だと思うが、時代の要請に応えなくてはならない局面はあり、そこは柔軟に対応していくべきであろう。でもどうせ弄るならば、きちんと本腰を入れて取り組まなきゃね。それが当時のスタッフとプレイヤー、そしてキャラクターに対する最低限の礼儀じゃないのかなあ。(所要時間22分)

*1:スーファミ版以降の性格診断に出てくる、あの漠然とした青いモンスターに似てるから選ばれたんだろうか? あいつ、(『ドラゴンクエストVI 幻の大地』の)アモール北の洞窟で見たホラービーストとはまた違うグラフィックだったけどね。

*2:厳密な話をすると、哺乳類の多くには、狼爪と呼ばれる足指の痕跡器官があり、それも含めれば5本指ということにはなる。ただ、人間の親指のように描くのは誤りだろう。

*3:ちなみにシャーマンの色違いとして登場するマクロベータには、あからさまに人喰い酋長っぽい黒人キャラクターとして描かれた没デザインも存在する。流石にマズいと思ったんだろうか。まあ、シャーマンはシャーマンで、どこからどう見てもパプアニューギニアの祈祷師だから、単純に容量の都合で採用されなかっただけという可能性もあるが……。

*4:バーサーカーとくびかりぞくは、顔の色が黒から黄色と緑に改められることが多い。しかし、よくよく見れば分かるのだが、当初から四肢は黄色と緑であり、別に褐色肌のキャラクターではなく、あれは黒いマスクを被っているデザインなのだ。

やさシティ・オブ・バイオレンス


去る11月16日、千葉県松戸市主宰のイベント「新酒フェスタwithコンテンツ体験&ショー」に参加してきた。イベント名を見るだけでは何がなんだかって感じだけど、いちいち説明するのも面倒くさいので、松戸の公式サイトから告知文を引用しちゃおう。

 松戸駅周辺のにぎわいを創出するため、地元の団体や市が連携し「新酒フェスタwithコンテンツ体験&ショー」を開催します!
 一緒に秋の旬であるオーストリアの新酒「ホイリゲ」などと、様々なジャンルのコンテンツ体験&ショーを楽しみながら、地域の方々との交流を深めましょう!

はい、こんな感じの催しでした。もちろん、我が家工房は“地元の団体”ではないんだが、いつも映像作品を撮るときに手伝ってくれている清洲昇吾(@KossetsuJiru)くんが松戸の民であり、彼からの協力要請を受けて出動することになったのだ。ステージ上では、松戸に縁のあるVTuberゆるキャラ、歌手、声優、ベリーダンサーズ、怪談師、盆ダンサーズなどが入れ代わり立ち代わりパフォーマンスしている*1 とのことだったので、数時間おきに会場内を練り歩いたりすれば、いろんなところで盛り上がってる感じになるだろう。ついでにゆるキャラも殺そう。松戸の地に、暴力の嵐を吹き荒らすのだ。まあ、そんな心持ちで臨んだのだけれど、いざ現場に着いてみたら、会場となる巨大テントが想定よりもミニマムだったことが判明。ここで怪獣が出ていくと、ほかの演者の邪魔になってしまうと判断して、バラモンキングもウイップ星人も、ほとんどの時間をマネキン状態で過ごすことに。こんなとき、当初のプランに固執すると碌なことにならんのである。一応、自分は自分で『BD&DVD発売記念!温泉シャークと松戸』なるステージイベントのMCをやることになっていたし、隙を見てウイップ星人を少し暴れさせることもできたので、何もせずに1日が終わったワケではない。松戸にとっても清洲くんにとっても初めての試みだったのだから、こんなもんじゃないかしら。来年もあるとすれば、ずっといい催しになることだろう。そのときこそ、ばけごろうを殺します! (所要時間8分)

*1:ずっと歌って踊ってるじゃん!とお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、事実ずっと歌って踊っていた。当日いちばん盛り上がっていたのも、「盆DANフェス」だ。

荒野を走る死神の列


XがまだTwittertだった頃、琵琶湖の南に金目教という怪しい宗教が流行っていたり、あちこちで大規模なオフ会が開かれたりしていた。Twitter黎明期に始まった、ミゲルふとし(@migelfutosi)主催のプラモオフもそのひとつ。区民センターの会議室などを借り切り、ひたすら積みプラをパチ組み*1 していくだけのストイックな内容でありながら、一時は2、30人の大所帯になっていたと記憶している。なんで少し曖昧な記述になっているかというと、最後に参加したのが7年くらい前のことだからだ。その後もぼちぼち開催はしていたのかもしれないが、程なくしてコロナ禍になってしまったので、長いことやっていなかったのは間違いない。で、久しぶりにミゲルふとしと会う機会があったので、無責任にも「プラモオフ、久しぶりにやろうぜ!」と提案しちゃったのだ。言うは易く行うは難し。あれから中心メンバーを取り巻く環境も変化しており、結婚した人もいれば、転職した人もいるし、そこそこ責任のある立場に出世した人もいるだろう。もちろん、すっかり疎遠になっちゃった人もいたりするわけで、ちょっと腰の重くなる話を持ちかけちゃったかなとも思ったんだが、なんと1ヶ月もしないうちにン年ぶりとなるプラモオフの開催が決定! どうも自分だけでなく、各所から要望が出ていて、まずは10人以下の小規模な会合としてリスタートさせることになったらしい。いずれにせよありがたい話です。

さて、そうと決まれば、今度は持っていくキットの選定である。いつもはHGUCの山から2コくらい見繕っていくんだが、久々のプラモオフということで、柄にもなくはりきってMGのリック・ドムをチョイス。数年前、再販の報を受け、新宿の量販店をしらみ潰しにして手に入れたもの*2 だ。昼過ぎに集まって、晩飯どきにお開きという制作時間を考えるとギリギリな気もしたけれど、なんとか間に合わせることができた。ただ、ろくにゲート処理もしていなかったので、帰宅後はスポンジチッピングでゲート跡を誤魔化すことに。筆やナイフを用いた古式ゆかしいハゲチョロ塗装の経験はあったものの、どうしたって自分のスキルでは作為的な仕上がりになってしまうため、勝手にランダムな傷跡ができる手法には前から興味があったのだ。ちなみに、メラミンスポンジにサッシ用の隙間テープを貼り付けたものが使いやすいとのこと。しかし今回は完成を焦ってしまい、とりあえず100均で買ってきた台所用スポンジを千切って、水性ホビーカラーの焼鉄色とシルバーでチョンチョンチョン。おまけにリアルタッチマーカーのブラウン1でサビサビサビ。足元から順番に攻めていったんだけど、胸のあたりでようやく自然に仕上げるコツを掴めた気がする。いくらなんでも傷つき過ぎだろう、これは。でも一年戦争の末期ともなれば、このくらい疲弊した状態で戦い続けてたドムもあったんじゃないの。いや、おれの宇宙世紀ではあった。ありました。まあ、そのくらいの気持ちでいこうや。(所要時間13分)


MG 1/100 リック・ドムVer.2.0 / BANDAI

*1:公共施設を借りる都合上、塗料の類の使用は禁止されていた。でもまあ、これが逆によかったんじゃないか。世の中にはパチ組みで済まさなきゃいけない理由でもないと、気軽に手をつけることができない人間だっているのだ。

*2:そんな苦労の末にゲットしたものなのに、手元にあると安心していつまでも組み立てずに積んでしまう。これはプラモあるあるなので、決して責めちゃあいけない。

キングコングは友達さ


『GxK』こと『ゴジラxコング 新たなる帝国』は、もう褒めても褒めても褒め足りないほどカッコいい大怪獣プロレス映画*1なんだが、国内での動員は鈍い出足だったらしい。事実、自分も初日前夜に予約を取ろうとしたら、まだガラガラどころかスクリーン中央付近の席すら余っており、やっぱり日本人には受け入れがたい世界観なのかもなあと思っている次第。SNSの反応を眺めてみても、絶賛ないし極めてポジティブな感想となると、良くも悪くも怪獣映画かくあるべし!という強いこだわりを持たない若い世代のものばかりで、年配の怪獣ファンは悪口雑言の限りを尽くしていたり、そうでなくとも奥歯に物が挟まったような消極的評価を添えたコメントが目立つ。たぶん、後者のおじさんたちは若い頃、新作なら何でもかんでも否定しちゃうおじさんたちを見て、ああはなるまいと思ったんだろう。立派といえば立派だ。でも個人的には、己の狭量っぷりを隠そうともしない主張のほうが、よっぽど読んでいて気持ちがいいですな。まあ、他人の感想なんて、どうでもいいと言ってしまえばそれまでだし、お前だって『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』に対して、厳然とNOを叩きつけたりはしてなかったじゃんと突っ込まれたら返す言葉もないんだが、うるせー! おれは心意気の話をしてるんだ、心意気の。しかし、つくづく自分はゴジラファンとして異端の存在なのだと思い知らされたね。もちろん、いいトシこいて少数派の優越感に浸りたいなんてことではない。アメリカのゴジラファンの集いにでも顔を出せば、一転して多数派の仲間入りさ。実際のところ、向こうではモンスター・ヴァースシリーズにおける興行記録を塗り替える勢いでヒットしているのだという。

どこかキッチュでバカバカしく、随所にユーモアも散りばめられているが、決してふざけているワケではない。そして、ひたすら暴力、暴力のつるべ打ち――それこそがガイガン山崎の理想とする怪獣映画であり、おそらく多くのアメリカ人が思い描いているであろうゴジラ映画だ。で、まさにそんな作品だったでしょう。そりゃあ全米で大ヒットするし、おれも大満足するよ。今回、アダム・ウィンガード監督にリモート取材する機会を得たが、『ゴジラ対メガロ』をこよなく愛するナイスガイであった。例の無重力バトルも、仮にゴジラがドロップキックをしても不自然に思われないようなシチュエーションを模索した末に出てきたアイデアだったと聞いたとき、思わずシャッポを脱ぎましたね。正直、予告編を観た段階では、それほど期待してなかったのだ。どこまでいっても日本人なのでデカい猿には浪漫を抱けないし、のちに存在が明らかになったシーモもまったく魅力を感じなかった。ところがぎっちょん! 今はもう、あいつら*2のフィギュアが欲しくてたまらない。『ザ・ゲスト』以来、ずっと注目している監督だった*3 が、ここまで肌に合う怪獣映画を撮ってくれるとは思わなかったぜ。脚本家のサイモン・バレット*4 との相性もいいんだろうね。彼の武器は、いい意味で天才過ぎないところだ。職人肌と言い換えてもいい。つまり福田純である。福田純の映画は、どれもそれなり以上に面白いが、ついぞ映画史に残る名作を撮るには至らなかった。だが、ゴジラみたいな娯楽映画に過ぎた才能は必要ない。むしろそれがノイズになることだってあり得る。福田純も、アダム・ウィンガードも、文字通りちょうどいいのだ。全然褒めてないって? おれはそう思わないね。彼らとゴジラを引き合わせてくれた、映画の神様に心から感謝します。(所要時間27分)


ムービーモンスターシリーズ GODZILLA VS. KONG SPECIAL SET KOMG / BANDAI

*1:昨今、プロレスそのものの認知度が下がったせいか、怪獣同士で戦ってれば何でもかんでも怪獣プロレスと呼ばれるようになってきた気がするが、これぞ正しく怪獣プロレス! ゴジラの雪崩式ブレーンバスターなんて、これまで想像したこともなかったよ。いいもん見せてもらいました。

*2:特にスカーキング、あの憎たらしさは助演男優賞ものじゃないか? 怪獣の骨で作った鞭を振り回す姿は、さながら超獣ブルーザー・ブロディのチェーン攻撃の如き……って、つまりキングコングキングコングってこと!? アダム・ウィンガード、天才じゃん……。

*3:恥を忍んで自分の見る目のなさを告白すると、オムニバス映画の『ABC・オブ・デス』や『V/H/S シンドローム』が公開された際、最後まで彼の参加を意識することはなかった。『サプライズ』を観て、非常に面白い映画だと感心していたにも関わらず、だ。

*4:彼が参加していない前作『ゴジラvsコング』も快作だったが、お話そのものはとっ散らかっていて、バカ映画の謗りを免れない側面はあったと思う。もちろん、それならば徹底的にバカをやるぞ!という気概に満ちており、だからこそ快作という評価をしている。一方、今回もバカバカしい話ではあるものの、でも決してバカ映画ではない。『サプライズ』や『ザ・ゲスト』も同様で、その匙加減のキーとなっているのがサイモン・バレットなのでは?というのが、おれの見立てだ。

父さん見てくれ必殺技を


いつもお世話になってるマクラウド@macleod1997)さん主宰の「アメイジング・チャリティ・マーケット」で、全国のローカルヒーロー相手にひと暴れしてきたぜ。今回は同日に別件の取材仕事が入っていたり、会場までバラモンキング*1 を輸送するための手段が確保できてなかったり、ちょこちょこピンチに見舞われてたんだが、無事に終わってひと安心。特に事前の打ち合わせもなく、みんなで記念撮影しているところに突如乱入していったにも関わらず、ちゃんとアドリブで対応してくれたツインジャー(@haihuxa_)並びにローカルヒーローの皆さん、どうもありがとうございました。バラモンキングを止めようとしたヒーローたちが、一斉に振りほどかれて後退する様は、まるでグランドキング戦のウルトラ兄弟のようで、不覚にもグッときてしまったよね。(所要時間8分)

*1:ローカルヒーローには等身大タイプが多いので、本来ならば怪人に見えなくもないウイップ星人やジョルジュ星雲人のほうが、彼らの相手には相応しいんだろうが、おれも床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)もゴレンジャーを蹴散らす鋼鉄剣竜が大好きだからね、からよ、からさ。