蜘蛛といえば、怪人モチーフの花形だ。もちろん、ライダー怪人第1号である蜘蛛男がいたからこその立場ではあるものの、8つの目、8本の足、蜘蛛の巣と、ひと目でそれと分かる特徴的なパーツが多いことも人気の理由のひとつと言っていいだろう。変な話、身体の何処かに蜘蛛の巣パターンをあしらっておけば、それだけで蜘蛛怪人に見える。
その反面、蜘蛛怪獣は難しい。まあ、女郎蜘蛛カラーと蜘蛛の巣パターンで強引に押し切ったカーンジョルジュのような例外もあるにはあるが、大抵の場合は最大の特徴である8本足を、どう着ぐるみに落とし込むかで四苦八苦している印象だ。そのせいか、タランチュラ、クモンガ、グモンガなど、本来のシルエットを活かした操演怪獣が多い。*1
たとえば、『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』には、そのものズバリなクモ怪獣なる着ぐるみ怪獣が登場するんだけど、ピープロらしく捻りを効かせすぎた8本足の処理によって、蜘蛛というよりは“ゴキブリおじさん”としか表現しようのない不思議な風体になっている。黒星怪獣のズバイダーも、よく分からない姿だった。やはり難しいのだ。*2
で、そんな着ぐるみでの蜘蛛怪獣の数少ない成功例が、恐獣スパイダウロスではないかと思うのです。結局、本物の腕が入っている真ん中の足しか動かないものの、いずれもぶっとく造型されているため、これが意外と気にならない。しかも非常にマンガチックなまとめ方で、それまでの怪獣デザインの文脈からは、なかなか出てこないフォルムなのである。アニメ畑の岡迫亘弘の手によるデザインだろうか? いい仕事してますねえ!
Our favoriteソフビースト #5 スパイダウロス / Yutari!