大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

激闘! 九十九里の浜


形あるものはすべて壊れる。怪獣もまた然り……むしろ怪獣の着ぐるみなんて、どんどん壊れていくもの。まあ、我が家工房の怪獣に限っては、基本的にラテックスを使っていないため、経年劣化で腐るということはないけれど、それでも脱いだり着たり、あるいは戦ったりするうちに傷んできて、いずれは廃棄せざるを得なくなる。だから、まだ原型を保っている間に映像として残しておくことにした。よく女優やアイドルが、若くて綺麗なうちに写真集を作っておきたいという話をするが、あれと同じようなことだろう。最近、新作に取り掛からず、やたらメンテナンスばかりしていたのは、このためだったのだ。


しかし、いわゆる大作映画を撮るつもりはない。マニアが雁首揃えて、そんなものを作ろうとしたら、いつまで経っても完成しないに決まってる。実際、身の回りにも宙ぶらりんになっている映像企画が山ほどあるので、もう同じ轍は踏みたくないのだ。スタッフ&キャストを最小限に抑えて、半日くらいで撮り終えられるものにしなきゃならん。つまりそう、『ウルトラファイト』である。結局、自分たちが観たいものって、あの2分20秒にすべて詰まってるのよね。精巧に組まれたミニチュアセットも、ウィットに富んだ台詞の応酬も要らない。海で、野っ原で、俺たちの怪獣がド突き合っていれば、それだけでいい。


題して、『我が家ファイト』。撮影は、来月末を予定している。そこで、ちょいと千葉県某所までロケハンに行ってきた。さあ、上の写真を見てくれ。ここには『ウルトラファイト』や『レッドマン』で観た風景が、今なお残っているのだ。海も山もいい感じで、自分も床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)もテンションが上がってしまい、当初の計画をあっさり変更。深夜に前日入りして初日は山編、2日目は海編という3日掛かりの撮影スケジュールに。例によって雪だるま式に企画規模が大きくなってきたけど、まだこのくらいなら大丈夫かなあ。ちなみにロケ地候補のひとつだったポッポの丘は、電車の墓場みたいなレジャー施設で、『ウルトラファイト』よりもポストアポカリプス映画向きの空間でした。