大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

阿佐ヶ谷のドン

毎夜見る悪夢に悩まされていた宇津木涼は、夢の怪物にヒマラヤ山脈まで呼び寄せられる。血も凍る戦慄の姿、そいつの名は魔王ダンテ。ダンテに操られるがまま、その封印を解いた涼は用済みとばかりに喰われてしまう。しかし復活を果たしたダンテの額には、涼の顔が浮かび上がっていた。彼の精神力が魔王に打ち勝ち、肉体を奪い取ったのだ!


そして妖鳥シレーヌを破ったデビルマンに迫る新たなる刺客、魔獣ジンメン。ジンメンに喰われた人間は、その甲羅のコブに顔と意識を浮かび上がらせる。自らを慕う少女の魂を人質に取られたデビルマンは苦悩の末、少女の顔を貫き、大勢の人々の顔とともに甲羅を引き剥がすのだった。ジンメンの甲羅、それは巨大な哀しみのデスマスク――。


身体の一部に人面をあしらったモンスターデザインといえば、豪ちゃんこと永井豪の十八番。特にダンテとジンメンは、ストーリーと密接に絡み合っていることもあって、非常に印象深い人面キャラクターになっていると思う。で、そんな2体を稀代のモンスタークリエイター、韮ドンこと韮沢靖が料理するとこうなる。
 
 
 
 
 

いや、死んでるじゃん! 宇津木涼、完全に屍になっちゃってるじゃん! ジンメンも喰い殺しちゃってるじゃん! 完全に消化してるじゃん!
まあ、よくよく観察してみると、ダンテの背中には涼らしき人面が隠れており、ジンメンの甲羅の中心部にもサッちゃんらしき少女のみ消化されずにくっ付いてたりするので、なんとかギリギリのところでストーリーが成立するようにはなってるんですけど、ギリギリ過ぎるでしょこれ。でもこれ、滅茶苦茶カッコいいでしょ。


韮沢さんとは生前、何度もお会いする機会があって、このフィギュアのデザインが大好きだと伝えたこともある。そしたら、「ナハハハ! 俺はまあ、何にでもドクロを付けちゃう気質なんで! ドクロ、いいでしょ? というか、ドクロを嫌いな人なんていないでしょ?」だって。俺はもう、力強く頷くしかなかったね。ドクロを嫌いな人なんていない。この言葉を胸に、俺は韮沢さんのいない世界を生きていく。ニライズムは不滅だ。


DEVILMAN -MORE THAN DEMON- DANTE/フューチャーモデルズ

DEVILMAN JINMEN/フューチャーモデルズ