大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ギロチングキング製作記……?

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本来ならば、ここにはギロチングキングの最新状態を捉えた記録写真が掲載され、その詳細についてあーでもないこーでもないと要らん話が書かれていたはずだ。しかし今回に限っては、そうもいかなくなった。床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)改めバカが、ギロチングキングを着たまま徘徊していたため、通行人に通報されてしまったのである。

 

確かにご近所さんにとって、もはやウチの怪獣なんて日常の1コマではある。だが、往来とは近隣住人以外も使うわけで、しかもド深夜に真っ黒な四ツ足怪獣がうごめいていたらビックリもするだろう。まあ、こっちは何も知らずに爆睡してたんだけど、家人の「大変! 入山くんが警察に囲まれてる!」という非現実的な言葉に飛び起きた次第……。

 

彼氏、どうも写真を撮ってもらいたかったらしい。いつもは工房内で撮影してるんだが、この1ヶ月で着ぐるみも大きくなった。で、ちょっと開けたところまで移動する必要があったと。うん、ここまでは理解できる。ただ、どうして自分の到着を待てなかったかね。LINEに既読がつかない時点で、相手が寝てることに気付きそうなもんなんだけど。

 

しかも公道に出て、四つん這いで待ってたというんだから正気の沙汰じゃないよ。草木も眠る丑三つ時の住宅街とはいえ、まったく車が通らないということもない。下手したら、うちの前に怪獣のミンチが転がってた可能性もあったと考えると、これは厳重注意も致し方ない。本音を言えば、便宜上の責任者である自分だけではなく、数m先から他人事のように眺めてる怪獣にも注意を促して欲しかったわ、お巡りさん。もう! バカ!*1

*1:いつの間にか麻痺していたが、この男に常識を求めるということ自体がナンセンスなのだ。芸術家とはすべからく埒外の人間であり、そんなキ印だからこそ毎日せっせと着ぐるみなんてこさえることができるわけで、自分は自分で“猛獣使い”の自覚に欠けていたと思う。猛獣使いと少年……警官に撃たれなくてよかった。もう少年って年齢でもないけどな。来年で30だぞ! バカ!!

ギロチングキング製作記(その8)

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これぞ正統派といった面構えの四ツ足怪獣が、ガバッと立ち上がることで恐獣まがいの醜悪な正体を現す――。それが、ギロチングキング(仮)のビジュアルコンセプトだ。まあ、あんなに背中を突起物だらけにしておいて、どこが正統派なんだという声が聞こえてきそうだが、どことなく成田亨を思わせる幾何学的なラインのツノに、いかにも高山良策っぽい眠そうな目を組み合わせれば、強引に正統派として押し切ることができるだろう。

確かにそんな話をしていたはずなのに、うっかり手が滑ってエンマーゴの目を付けてしまった! いや、最初はちゃんとスカイドンとかザンボラーみたいな目を考えていたんだ。でもなんかパンチがないというか、安っぽく見えてしまったというか。結局、ふたりで怪獣図鑑を眺めながら、サドラみたいな目しようか、ブラックキングにしようかなんて話し合ってるうちに、どんどん時代が下っていってエンマーゴへと辿り着いた次第。ただ、このちょっと下顎が出てる感じは、高山良策っぽくないかしら。焼け石に水ですか?

ディオニス製作記(その2)


床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)から上がってきたディオニスの初稿は、如何にも彼らしいムチムチ具合で、当初はウエットスーツでいこうと思ってたけど、『超光戦士シャンゼリオン』のザ・ブレイダーよろしくウレタンで作るのもいいかもしれない。そういえば、あいつも緑色のマッチョマンで髪の毛が生えてた……って、なんで髪の毛が生えてるの!? 流石に気になって床山皇帝に尋ねたところ、メロスの兜を意識したものらしい。どういう理屈で附物が遺伝するのか分からんが、“メロスの息子”ってのは裏設定でもなんでもなく、あくまでもデザインの取っ掛かりなので、これはこれでいいか。ただ、額の飾りはアクションの邪魔になりそうだからオミットしたいなあ。そんなことを考えてたら、いつの間にか半年経っていた。ダメだ、どうしてもヒーローだとモチベーションが上がらない!


そこで知り合いのイラストレーターである金子大輝(@taikikaneko1989)さんに、オリジナルヒーローをデザインしてみる気がないか水を向けてみた。夏頃にいろいろあったせいか、*1 今後は版権ものだけでなく、オリジナルも手掛けてみたいと呟いていたのを見掛けたからだ。ちょうど去年の暮れくらいに打診したんだったかな。やっぱり餅は餅屋、ヒーローはヒーロー好きに任せたほうがよかろう。で、向こうも興味があるとのことで、しばらくしたら検討ラフ(右図)が送られてきた。う~ん、ちょっと違うかなあ。床山皇帝の初稿から90年代ヒーローテイストを拾ってきて、彼なりに換骨奪胎してくれたのは分かるんだが、いまいち巨大ヒーローに見えない。白というメインカラーも、汚れが目立ちそうでいまいち現実味がないような気がする。特に床山案は気にしなくていいと言ったものの、緑色のメロスっぽいヒーローというコンセプトは残したほうがいいのかも……。

*1:よく知らない人は、「金子大輝 炎上」でググってヤフれ!

3月のお仕事

ガイガン山崎+齋藤貴義 怪獣プロジェクト - 怪獣チャンネル

今日から君も、怪獣のプロだ――。
夕方の6時過ぎ、いつも12チャンを点けると、ザラブ星人に似た声のオジさんがそう語りかけてきた。
当時、僕はまだ4歳である。素直な子供である。だから確信した、俺は怪獣のプロなのだ。生ける怪獣コンピューターなのだ。
あれから二十余年、僕は怪獣のことを書いたり喋ったりして暮らしている。まさしく怪獣のプロだ。
君も『怪獣チャンネル』を聴いて、怪獣のプロになろう!


#001「ゴジラ(ゴジラシリーズ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#038「モチロン(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#071「タイラント(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#085「赤影(仮面の忍者 赤影)」
#086「ミラクル星人(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#087「ルパンイエロー・パトレン3号(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)」 f:id:gigan_yamazaki:20190130013055j:plain

メディア芸術カレントコンテンツ
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第1回「What is KAIJU?」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第2回「海を渡った怪獣たち」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第3回「アメリカとゴジラ」f:id:gigan_yamazaki:20190130013055j:plain

2019年03月12日(火)
オタク大賞マンスリーVol.72
直哉藤田のすべらない話

 OPEN 19:30 / START 20:00
 入場料 ¥1,000(飲食物の持ち込みOK)
 会場 模型塾スタジオ


誰でもすべらない話を持っている。
それは誰が何度聞いても面白い。
今回の企画は
オタク大賞きっての「べしゃりのファンタジスタ」が
皆様のご機嫌を伺います!


「直哉藤田のすべらない話」


今年も盛況に終わった「日本オタク大賞2018」で、
奇跡の滑りで観客を魅了した藤田直哉


……いや、これはオレの真の実力ではない!
すべらない話の真髄を極め
『キングオブ滑らない』の称号をほしいままにした男として
その汚名を返上させていただきます!


出演は、
今宵は真のべしゃりを見せてやる・藤田直哉
藤田直哉の天敵とはオレだ・ガイガン山崎
司会は、安心の上から目線クオリティ・宮昌太郎
以上のメンバーでお送りいたします。


会場はいつもの
「模型塾スタジオ」からお届け。今回も「観覧可」です。
配信終了後には毎回恒例の
「伏せ字なし! ボーナストラック」もありますよ!
アンダーグランド感&プレミア感の漂う、秘密のライブ会場へ
あなたもぜひ足をお運びください!


2019年03月17日(日)
新大久保帰還!地熱ナパーム倶楽部 @Naked Loft

 OPEN 12:00 / START 12:30
 予約 ¥1,800 / 当日 ¥2,300(+要1オーダー以上)
 ※予約はwebにて。
 会場 NAKED LOFT


「ぶるっちょさむさむだお!」
……などと口走りながら、おこたでハーゲンダッツを溶かしている皆様に朗報!
昆虫型怪獣の寄せ集め・地熱ナパーム倶楽部が、再び職安通りのネイキッドロフトに襲来します。

スカッと啓蟄明けに開催となる今回は、いよいよホントに平成最後! 平成という時代の罪や穢れを洗い流すため、最近なんだか憑き物が落ちたようだと噂のミュージシャン・大内ライダーさんをゲストとして召喚!
平成を彩った名作群や、新元号を彩るであろう我が家工房の野望について、大いに語ります。音楽業界の闇などについては、あまり語らない方針です!
元号に『怪』や『獣』や『奇』の字が入ることを、各々の神様にご祈願しているところ、誠に恐縮ではございますが、今回も是非お集まりください!


“地熱ナパーム倶楽部とは”
漫画や特撮、爆発や怪獣怪人などのジャンル系専門家たちが集まり、各自が最近見たり買ったりした面白サムシングを紹介したり、気になるテーマを掘り下げて洞察し、結論めいたものを出したり出さなかったりしつつ、それぞれ専門分野以外のいわゆる“世間”に対しても積極的に(口から)絨毯爆撃を行うことも辞さない決意を示す集団です。
The Event Formerly Known as Asurajigoku(かつて阿修羅地獄として知られたイベント)でもあります。


【出演】
ガイガン山崎(暴力系エンタメ専門ライター/中野のカーンデジファー)
四海鏡(石ノ森章太郎ファン/転職者)
【第32回(通算)ゲスト】
高遠るい(おげれつ漫画家/怒りの呪術師)※皆勤賞
大内ライダー(中野の工房スーツアクター/ベーシスト)


2019年03月17日(日)
起動45周年!立川決戦 初代メカゴジラ ~極上爆音上映

 OPEN 17:40 / START 18:00
 予約 ¥2,200
 ※予約はwebにて。
 会場 立川シネマシティ/シネマ・ツー/aスタジオ


ゴジラ対メカゴジラ』を極爆で!

強い! ニクい! 美しい!
2019年3月21日で誕生45周年を迎えるメカゴジラ

3月6日に、昭和メカゴジラ(『ゴジラ対メカゴジラ』(74年)、『メカゴジラの逆襲』(75年))の魅力を徹底的に詰め込んだムック『別冊映画秘宝 昭和メカゴジラ鋼鉄図鑑』(洋泉社)が発売されるのを記念し、『ゴジラ対メカゴジラ』極爆上映が開催決定!

白銀のボディが虹色に輝くロボット怪獣の傑作であり、ゴジラのライバル怪獣として世代を問わず絶大な人気を誇るメカゴジラ

2018年はスピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』、アニメ『GODZILLA 決戦機動増殖都市』に登場。その原点である『ゴジラ対メカゴジラ』が満を持して極爆で大暴れ!

トーク第一部は、中野昭慶監督を招いて、生誕45年を迎えたメカゴジラの誕生秘話、制作の苦労をお聞きします。お相手は『シン・ゴジラ』等の特撮美術としておなじみ三池敏夫さん。

上映を挟んでのトーク第二部はファン座談会。
リアルタイムのメカゴジラファンとして、機龍デザイナーとしても知られる西川伸司さん、日本で一番実写ロボットの演習を手がける佛田洋監督。若いファンを代表して、大内ライダーさん、ガイガン山崎さん。司会にロボ石丸さんを迎え、昭和メカゴジラの魅力を語ります。

メカゴジラ全方位攻撃の迫力を、田島令子さんの美声を、睦五朗さんの名台詞をぜひ極爆で!
ミヤラビの祈りをみんなで歌おう!

(入場者特典は後日発表!)


【総合司会】ロボ石丸
【出演】中野昭慶(特技監督)、三池敏夫(特撮美術監督)、西川伸司(漫画家・怪獣デザイナー)、佛田洋(特撮監督)、大内ライダー(ミュージシャン)、ガイガン山崎(ライター)


黒く光るボディ

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『THE GRASSHOPPER』は、弱冠18歳のときに監督した初の自主制作映画だ。『仮面ライダー』をモチーフとしたアクションもので、スカルペイントのヘルメット男が登場する。主力スタッフだった荒船泰廣 (@arafune)や鉄面あなざ(@Gadjetmovie)は、現在ではプロのクリエイターとして活躍しており、かくいう自分も本作がきっかけとなって雑誌「宇宙船」に寄稿するようになった。口幅ったい表現をするならば、自分にとって原点ともいえる作品である。主演俳優が所有していた自転車用のプロテクターに、ゴミ捨て場で拾ってきたメットを組み合わせた主役スーツは、やや頭でっかちで不格好なところもあったものの、それが当時の限界であり、きっかり10年後にリベンジを果たすこととなる。


社会人になってから初めて撮った自主制作映画『D/I/Y』に登場するバトルスーツがそれだ。企画当初は、かつてのスーツを使い回す予定というか、実際にそれで短いテスト映像も撮っているんだけれど、せっかくの機会だからとオール新造することにしたのだ。製作者は、のちの“センセイ”ことぱしみ(@nicesharp)くん。まだ大学生だったが、当時から彼のセンスとスキルは大したものだった。しかし結局、この映画は参加メンバーのスケジュールが噛み合わず、あと少しのところで頓挫してしまう。社会人は忙しいのです……。で、バトルスーツも奥底に仕舞い込んでたんだが、なんと彼に再登板のチャンスが与えられた。*1 そこで早速、我が家工房にて床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)に試着してもらった次第。う~ん、カッコいいじゃない!*2 やっぱりこいつで1本撮ってやりたいなあ。

*1:このバトルスーツが、そのまま使用されるわけではないんだが……詳細は、また後日!

*2:あとで武器小道具担当だったメラーノ(@samuhara)くんに確認してみたら、コンバットナイフの付け方が間違っていたらしい。あれー?

ギロチングキング製作記(その7)

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ミツクリザメ、ノコギリザメ、シュモクザメ、ヘリコプリオン、ステタカントゥス……ギロチングキング(仮)は、古今東西のサメの集合体である。しかし丸っこいバグるみをベースにしたため、サメというよりもフグのようなシルエットになってしまった。また、サメの象徴ともいえる背びれも、やや取り付け位置が後ろ側になったこともあって、もはや数ある突起物のひとつという印象だ。正直、これでサメ怪獣と言い張るのは無理がある。

それならいっそのこと、ハリセンボンとかの怪獣にしたほうがいいんじゃないか。冷静になってデザイン画を眺めてみると、何故か腰からサザエが生えてるし、もう無理にサメの頭を武器にしなくてもいいかなあ。ちゅうか、無理に換装させる必要もないよね。そもそも名前の由来になってるギロチンが、身体のどこにも付いてないのはどうなんだ? そんな妥協混じりの会話をしつつ作業を進めていたら、思いのほか精悍な面構えになり、やっぱりサメの怪獣でいいかもしれんと、妙に心変わりの忙しい今日この頃であった。