大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

マニアの流儀


怪獣玩具の王道であるソフビ人形は、オモチャ然としたルックスの「レトロタイプ」とガレージキットの流れを汲んだ「リアルタイプ」に大別できる。80年代生まれの俺様ちゃんにとって、怪獣ソフビといえば後者だ。バンダイウルトラ怪獣シリーズがなければ、今の自分は存在しなかったと断言してもいいだろう。ウルトラ怪獣シリーズは、まだ幼かったガイガン山崎に徹底したリアル志向とコレクター魂を植えつけたのである。そのため、これまでずっとレトロタイプの怪獣ソフビには興味がない……フリをしていた。


やはりマニアといっても、何でもかんでも収集していたらキリがない。そのため、自分の中でコレクションのルールを作るのが常道である。たとえば、紙モノには手を出さない、劇中に登場しないカラーバリエーションは無視する、レトロソフビの情報はシャットアウトするといった具合だ。こういった独自のルールが、それぞれのコレクション世界を創造する。一見、無秩序に集められているようで、その実きちんとした法則性が貫かれているコレクションとは美しいものだ。
で、どうしても我慢ができないときは、“『ウルトラマンA』の超獣に関しては、あらゆるグッズを収集しても構わない”などといった超法規的措置を取ったり、“よく見ればリアル”などといったルールの抜け道を突けばいいのである。もちろん、自分が自分のために作ったルールなのだから、好き勝手に破ればいいいんだが、ルールはルールだとグロンギも言っていた。コレクターのルールは、『バイオレンスジャック』におけるスラムキングの鎧のようなもので、これがなければ自らの物欲に押しつぶされて破滅してしまうのだ。


しかし、つい最近になって、瑳川竜を名乗るヤプール人の巧み過ぎるプレゼンによって、30年にも渡って固く守られてきたルールが崩壊してしまった。レトロソフビ解禁、である。もうこうなってしまったら止まらない。マニアの世界は、オール・オア・ナッシング。レトロもリアルも関係なく、片っ端から第2期ウルトラ怪獣を買い集めている次第だ。そして千里の堤も蟻の穴から崩れるの言葉どおり、今度はインディーズメーカーのオリジナル怪獣ソフビにまで手を出してしまい……。


モンスターファイルシリーズ 宇虫怪獣グモーズ/ドリームロケット