大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

超獣人間


幼稚園の頃、風邪をひくとオカンが怪獣ソフビを買ってきてくれた。何度目かの風邪でスカイドンのソフビを手に入れたとき、これはデパートのオモチャ売り場で駄々をこねるよりも効果があるぞと気付いた自分は、スナック感覚で卓上ライトに体温計を押し付けるようになり、程なくして素直だが病弱で可哀想な幼児が誕生したのだった。


さらに少しでも多くの怪獣ソフビを手に入れたかったガイ山少年は、やがてノンケ(ヒーローにしか興味のない凡人のこと)の弟を洗脳することを思いつく。近所のオモチャ屋に兄弟揃って連れていってもらう道中、そのときに二番目か三番目に欲しい怪獣の魅力をプレゼンするのだ。そうすると……あとは書かなくてもいいだろう。すぐに飽きるニワカの習性まで計算に入れた完璧な作戦である。とにかくどんな手段を講じてでも怪獣が欲しかった。まさに物欲の化け物……否、怪獣である。


怪獣は子供を狂わせ、そして子供は怪獣になる。そういえば、“子供は小さな怪獣です”みたいな喩え話があるけれど、ただワンパクなくらいで怪獣だなんておこがましいにも程があるぞ。まあ、仮にそんなヤンチャ坊主たちが怪獣だとするならば、子供なりに知略を尽くして私腹を肥やし続けた自分は、さしずめ超獣だろう。悪くないね。


超獣コレクション ドラゴリー/地球防衛軍秘密基地