オタクが日陰の存在でなくなって久しい。中川翔子のブレイク以降(?)、敢えてオタクを自称するアイドルも増えてきた。特にグループアイドルの場合、周りとの差別化が不可欠であり、そのためには趣味も公表していかなくてはならない。また、最近は握手会のような接触系の営業もある。アイドルオタクの男性が、必ずしもゲームやアニメを嗜好しているワケではないが、それでもキラキラした女子らしい女子よりは会話の糸口だって掴みやすかろう。アイドルに限らず、オタク女子とはオタク男子からモテるものだ。
もっとも口から生まれたような人間からしてみれば、別に何の話題でも盛り上がることはできるし、むしろ趣味の世界には立ち入って欲しくないという感覚がある。仮にライダーファンの女の子がいたとして、その子が好きなのは電王やビルドであって、カマクビガメでもアッチペッチーでもない。もちろん、相手に合わせて平成ライダーの話をすることはできるけれど、それは天気や近況といったテーマで語り合うこととどう違うのか。まあ、そんなこんなで個人的にはオタク女子に、特別なバリューは感じられないのであった。
しかしだ。そんな自分も、乃木坂46に所属する鈴木絢音ちゃんの「好きなガンダムは、F91*1とユニコーンガンダムのユニコーンモード」なる回答には唸らされた。だってデストロイモードとかストライクフリーダムとかアッガイとか言われたら、ちょっと信用できないじゃないですか。逆にマニアックな機体を挙げられても、内に秘めたる町山智浩が「オトコの影響だ!」と騒ぎ出すじゃないですか。たとえば、ドライセンが好きですと言われた日には……なんて話を先日の『地熱ナパーム倶楽部』でもしたんだけど、そしたらゲストの高遠るいさんから「いや、それはアリなんじゃない? ちょっとドキッとしちゃったよ」と言われて、確かに! ドライセンもまた濃すぎることもヌルすぎることもない絶妙な立ち位置の機体*2であり、なによりもこの「男子中学生が考えたMAXカッコいいリファインドム感(by.高遠るい)」にキュンキュンする感性にキュンキュンしてしまう。これってもしかして恋? ガチ恋? 絢音ちゃん、好きだ! 正確には、己の脳内にのみ生きるドライセンが大好きな絢音ちゃん、大好きだ! 囁いてくれよ、傍にいるよって!
HGUC 1/144 AMX-009 ドライセン (機動戦士ガンダムZZ) / バンダイ