大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ギロチングキング製作記(その15)

f:id:gigan_yamazaki:20191112194724j:plain
我が家工房1周年記念イベント『大怪獣ショー with ザ・リーサルウェポンズ』に向けて、ギロチングキングの作業も佳境に入った。どうせお披露目するならば、きちんと全パーツを揃えて塗装している状態まで持っていきたい。細々とした最終調整はともかく、だ。
ちなみにパイル星人は、ウイップ星人の没ヘッドを流用することしか決まってなかったんだけど、“センセイ”ことぱしみ(@nicesharp)くんがカラー検討のついでにデザインまでしてくれていたので、概ねそれに倣うかたちでフィニッシュ。これで我が家工房の怪獣=カイゼル・ベムは、どれも複眼持ちというルールも曲げずに済んだ。しかし、特に意識はしてなかったはずが、ダンバインみたいな顔になったなあ。さあ、残すは武器だ!

まさともリターンズ!!

f:id:gigan_yamazaki:20191112194722j:plain
先日、声優の中澤まさとも@masatomo_)さんから連絡をもらった。久々の電話だ。中澤さんとは古い付き合いで、互いに十代の頃から一緒に遊んだり、自主映画を撮ったりする仲でありながら、このところは随分とご無沙汰で、それというのもヤツが新しいメアドを教えなかったからなんだが、たまたま伝え忘れてただけなんだって。ホントかなあ。

何はともあれ、中澤さん主演のPV的な動画にヒーローと怪人を出したいらしく、ウチの着ぐるみを貸してくれないかとのことだった。数ヶ月前、のちに「仮面バンダー」と名付けられるバトルスーツに再登板の機会が降って湧いたと書いたが、あれは『きみはマザーファッカー』のMVではなく、中澤さんからのオファーを指していたのである。

そもそも十数年前、ハリボテのような初代バトルスーツを着ていたのは、若かりし日の中澤さんだ。だから、このスーツを彼が着るということは、自分たちにとって非常に大きな意味があるというか、なんとも感慨深い巡り合わせだったりするわけです。まあ、実際の映像では、残念ながらヘルメットは被らずに撮影することになったんだが……。

で、詳しい内容は伏せるが、先方のイメージは等身大ヒーローものっぽかったので、怪人っぽいウイップ星人を持っていくことにした。さらにペットボトルを投げ捨てるシーンがあるらしく、鬼ころしならぬ鬼いかしのラベルを作成。ちなみにデカいペットボトルの調達と商品名の筆文字は、書道の段位を持つ大内ライダー(@Ohuchi_RIDER)くんにお願いした。なかなかいいじゃない! こういう小道具を作るの、昔から好きなのよね。

特撮魔人ミステリオ

f:id:gigan_yamazaki:20190628175815j:plain
最近、マーベル・レジェンドシリーズを再び買い集めるようになった。マーベル・レジェンドは、ハズブロから発売されている6インチサイズのアクションフィギュアだ。かつて自分が買いまくってた頃は、トイビズが製造・販売を担当していたんだが、2007年よりハズブロに移行してしまい、いつしか距離を置くようになったことを覚えている。この手のハイクオリティなアクションフィギュアのはしりであるマクファーレントイズのスポーンも、同時期にシリーズを打ち切られており、あのときは寂しかったなあ。なんたって、激レア激ヤバ即ゲット世代ですからね。まあ、スポーンに関しては、既にスタチュー方面に舵を切ってたりして、だからこそ可動にこだわるマーベル・レジェンドを応援してたんだけど、ハズブロになってからは目に見えてプレイバリューが落ちていったのだ。


しかし年齢を重ねるに連れて、ググイと盛り上がる筋肉に無数の血管モールドまで浮き上がらせるようなトイビズの超ハードディテール主義にゲップが出るようになり、シンプルなハズブロ版マーベルレジェンドも悪くないかも……と思い始めるようになってきた。そんな折に発売されたのが、昔から大好きなミステリオだ。金魚鉢の中の頭が切り替えられたり、マントから霧を噴射できたりと、いつもミステリオらしいギミックが盛り込まれていたトイビズ版と比較すると、ちょっと手足が動くだけで何の面白味もないが、これはこれで悪くない。結局、我が家のハズブロ版マーベル・レジェンドの数が、50の大台に乗る*1 まで大した時間は掛からなかった。ただ、まだ集め始めたばかりでトイビズ時代に未練があったのか、タイツのモールドにスミ入れをしたり、グローブをリペイントしたりしている。トイビズ版ミステリオが、まさにこういうカラーリングだったのである。


SPIDER-MAN 2018 MARVEL LEGENDS 6inch LIZARD SERIES MYSTERIO / Hasbro

*1:モノによるとは思うけど、最低でも手元に50種類くらいはないと、人様にコレクションしてるだなんて言えないという感覚がある。

絶対ピンチのにせものヒーロー

f:id:gigan_yamazaki:20190701155234j:plain
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、最高だった。ピーター・パーカーの旅行先、水の都ヴェニスにハイドロマン出現!*1 なんて、まるで夏の昭和ライダーみたいな出だしじゃないか。もちろん、これは21世紀のハリウッド映画だから、スーパーヴィランとの遭遇は偶然なんかではなく、きちんと筋の通った理由も語られるんだけど、次から次へと悪党どもが登場する出し惜しみのない展開が嬉しい。しかも、その黒幕がミステリオ……例の金魚鉢みたいなヘルメットも健在で、「黄色のタイツを履くか?」を追想するに、まったく隔世の感を禁じ得ませんよ。かつてヴィジョンが、あのまんまの姿で出てきたときも感じたことではあるが、思えば遠くへ来たもんだ。“ファー・フロム・ホーム”というタイトルには、そんな意味合いも込められている気がする。『アベンジャーズ/エンドゲーム』からの短い公開スパンも含めて、コミックを読んでいるときの感覚の抽出が、これまでのMCU作品群で最もうまくいってるタイトルなんじゃないかしら。


で、ミステリオの話に戻る。やはり世代的なものもあって、最も思い入れのある悪役を問われたらベノムと答えざるを得ないものの、古参の連中ではミステリオが一番好きだ。クールな装いもさることながら、仕事に行き詰まったSFXアーティストが、自らの持てる特撮技術の粋を集めて、スパイディに代わる新たなスーパーヒーローになろうと目論むというオリジンが最高にイカしてるぜ。ただ、特撮は特撮に過ぎず、それで敵を欺くのは無理があるというか、コミックやアニメでないと成立しないギミックであり、まず実写映画にお呼ばれすることはあるまいと思っていたので、まさかの登板には驚かされたし、その絶妙なアレンジに唸らされもした。今回のミステリオは、メイキング映像さながらのモーキャプスーツに身を包み、この映画も現実も何もかもフェイクであることをピーターと観客に突きつけてくるのだ。まあ、こういうメタ視点がどうこうみたいな利口ぶった話はしたくないんだが、ちゃんとミステリオならではの物語、テーマになっていて感心した次第。


しかしヴァルチャーに続いて、ミステリオまでトニー・スターク絡みの因縁を持たされるとは……。つくづくMCUは、メンター*2 の不始末に決着をつける話が好きだなあと思わされるが、この世界のトニーは、本来ならば他人が仕出かすはずのチョンボまで一身に背負わされ過ぎである。不憫で見てられん。もっともロバート・ダウニー・Jr.由来の茶目っ気と、この超トラブルメーカー体質が付加*3 されたからこそ、アイアンマンはシリーズを牽引するだけの存在になれたに違いない。そして、そんな彼の大いなる力と大いなる責任(という名の尻拭い)を受け継ぎ、ピーターはどんなスパイダーマン*4 になっていくのか? これがフェイズ4で語られるメインストーリーのひとつになるのだろう。そういう意味では、アイアンマンがスパイダーマンに、マーベル・ユニバースの主役の座を返す映画だったともいえるかもしれない。いずれにせよJ・ジョナ・ジェイムソンも復活、おそらくまだ投獄されているであろうマック・ガーガン=スコーピオンとの接触も気になるわけで、今後の展開が楽しみだ。あのミステリオが、最後のひとりとは思えないしね。


SPIDER-MAN 2019 MARVEL LEGENDS 6inch MOLTEN MAN SERIES MYSTERIO / Hasbro

*1:ただ、「エレメンタルズ」ということは、あいつはハイドロン≠ハイドロマンだったのか? 見てくれは、それぞれサンドマン、ハイドロマン、モルテンマンを模しているように感じられたけど、スパイダーマン映画ということで、より馴染み深い彼らの姿に寄せて造形されただけかもしれん。結局、ゼファーにあたる虚像は画面に登場しなかったが、ワールウィンドっぽい姿だったのかなあ。ワールウィンド、スパイディと縁がある印象は薄いけどね。それともサイクロンかな?

*2:マーベルでメンターというと、サノスのお父ちゃんが思い浮かぶわけですが、この場合は指導者、先人みたいな意味で使っております。

*3:個人的な印象に過ぎないが、コミックにおけるトニー・スタークは、MCUのトニーのような愛すべきボンクラではなく、むしろ自分にも他人にも厳しく、世界平和という理想のためなら自ら泥を被ることも厭わない人物として描かれているように思う。

*4:一見するとスーペリア・スパイダーマンっぽい印象の新スーツだが、歴代スーツの装備や意匠がそこかしこに散りばめられており、トム・ホランドスパイダーマンの未来に無限の可能性があることを示唆している……ように感じられました。

6月のお仕事

ガイガン山崎+齋藤貴義 怪獣プロジェクト - 怪獣チャンネル

今日から君も、怪獣のプロだ――。
夕方の6時過ぎ、いつも12チャンを点けると、ザラブ星人に似た声のオジさんがそう語りかけてきた。
当時、僕はまだ4歳である。素直な子供である。だから確信した、俺は怪獣のプロなのだ。生ける怪獣コンピューターなのだ。
あれから二十余年、僕は怪獣のことを書いたり喋ったりして暮らしている。まさしく怪獣のプロだ。
君も『怪獣チャンネル』を聴いて、怪獣のプロになろう!


#001「ゴジラ(ゴジラシリーズ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#038「モチロン(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#071「タイラント(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#086「ミラクル星人(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#090「ゴジラ/前編(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013055j:plain
#091「ゴジラ/後編(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013055j:plain
#092「ドラコ(ウルトラマン)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013055j:plain

メディア芸術カレントコンテンツ
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第1回「What is KAIJU?」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第2回「海を渡った怪獣たち」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第3回「アメリカとゴジラ」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第4回「KAIJU総進撃」


                               ※パンフレット執筆

2019年03月12日(火)
オタク大賞マンスリーVol.74
ゴジラ キング・オブ・モンスターズVS怪獣王ゴジラ

 OPEN 19:30 / START 20:00~22:00+α
 入場料 ¥1,000(飲食物の持ち込みOK)
 会場 高円寺シアターバッカス


先月はお休みしてしまいましたが、
今月はやりますよ!


新会場からお送りする
ニコ生配信番組「オタク大賞マンスリー」の74回目は
「激論!キング・オブ・モンスター ゴジラVS怪獣王ゴジラ

ドハティ監督の暑苦しいまでの「怪獣愛」が
賛否両論を巻き起こしている、
映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

そんなゴジラを見て、
二人の怪獣好きが吠える!
俺のゴジラか、お前のゴジラか。
スクリーンを上回る大激戦必至!


出演は、
初参戦!平成ゴジラ主義・中沢健
チャンピオン祭り主義・ガイガン山崎
司会は、安心の上から目線クオリティ・宮昌太郎
以上のメンバーでお送りいたします。


今回は会場を変更して
「高円寺シアターバッカス」
からお届けします。
今回も「観覧可」です。
配信終了後には毎回恒例の
「伏せ字なし! ボーナストラック」もありますよ!
アンダーグランド感&プレミア感の漂う、秘密のライブ会場へ
あなたもぜひ足をお運びください!


f:id:gigan_yamazaki:20160430223520j:plain

ギロチングキング製作記(その14)

f:id:gigan_yamazaki:20191112192338j:plain
ギロチングキングの塗装が始まった。マスキング作業を一手に引き受けてくれている松谷康德(@luv_kraft)さんや“センセイ”ことぱしみ(@nicesharp)くんが、連日のように訪れており、いつになく賑やかな我が家工房である。一方、床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)はというと、彼らの作業と並行するようにパイル星人と下半身の造形を進めている。やっぱり最終段階に入ると、いきなりちゃんとした造形工房っぽい雰囲気になりますね。

トリフィド時代

f:id:gigan_yamazaki:20190629052101j:plain
あっという間に、この有様か。今度こそ殲滅できたと思っていた1ヶ月前の自分たちは、本当に間抜けだった。あのときのブライ大帝くらい間抜けだ。やれてない、全然やれてないよ……。そもそも誰だ、サンポールが最強の除草剤だなんて戯言を言い始めたのは。