大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

ワッハハハ悪はほろびず


自分は近距離パワー型が身の上なので、社会・政治・その他諸々について、あまり語らないようにしている。というか、そもそも語る言葉を持たないのだ。なんだかんだで3年間もやってるトークイベント『阿修羅地獄』改め『地熱ナパーム倶楽部』には、オタクネタとは無関係の時事問題を語るコーナーがあるのだが、いつも卑近な話題もといジンドグマに引き寄せて喋っているのは、しょっちゅうイベントに足を運んでくださっている方々にはお馴染みであろう。だから、ここ半年くらいのニュースらしいニュースへの言及といえば、うなぎPR動画の件くらいじゃないかしら。



やっぱり自分はモノカキだから、“表現の自由”という問題には敏感になってしまう。また、特撮ファンとしては『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」や『獣人雪男』、『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」のことなどが頭をよぎる。別に誰かを傷つけようと思って作られたものでなかったとしても、特定の人たちの目から見れば傷つけられたと受け取られる可能性は常にあり得るのだ。
たとえばモノクロアニメ版『サイボーグ009』第15話『悲劇の獣人』も、他ならぬ石ノ森章太郎の意志によって上映禁止にされたことがあった。で、009ファンクラブ会報誌「パラライザー(Vol.18)」の原作者インタビューにて、「彼らは彼らなりに神経質になってるだろうし、それなりの苦しみはあるだろうと思う。で、触れてほしくないというんだったら、やっぱりある意味じゃそれに協力して触れないこと……僕らの思いやりというか」と答えており、人格者として知られる石ノ森先生は違うなと思わされるんだが、果たして引っ込めてしまうことが唯一の正解なのか、自分には分かりかねるところがある。


えー、前置きが長くなってしまったが、10月22日のハロウィンイベントに出演したアイドルグループ「欅坂46」の衣裳について、アメリカのユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」が「10代の若者がナチス風の衣装を着てステージや観客席で踊っているのを見ることは、ナチス大量虐殺の犠牲者に多大な苦痛を引き起こす」として謝罪を要求する騒ぎがあった。かつて文藝春秋社の月刊誌「マルコポーロ」が、「ナチ『ガス室』はなかった」と題する記事を巡るトラブルによって廃刊に追い込まれたことがある。そのとき、イスラエル大使館とともに猛烈な抗議を展開したのがSWCだった……らしい。結局、プロデューサーの秋元康と所属レコード会社のソニーミュージックエンタテインメントは、すぐに謝罪のコメントを公開した。そりゃあそうだよね。これが当然の抗議なのか、それとも難癖なのかは分からないけれど、ひとまず謝っておかないと、もっと大変なことになってしまいそうだ。


ただ、その一方でデザインが似てるというだけで謝罪してしまってよかったのだろうかという疑問も残る。ひょっとして悪しき前例を作ってしまったのではないか。だって、彼女たちは「ハイル・ヒトラー!」と叫んだワケでもなければ、ナチスの思想や虐殺行為を肯定したワケでもないのだ。これがダメならば、OVAなどで渋くカッコよく活躍するジオン軍だってダメだろう。そもそもナチス自体を取り扱ったフィクションは、世界中に山と存在する。いや、そのほとんどは悪役だからいいのだという意見もあるかもしれない。確かにゾル大佐にブロッケン伯爵、レッドスカル、ヴァルター・ドノヴァン……いずれも悪辣なる人物として描かれており、ヒーローの手で叩きのめされる。
しかし、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するシュトロハイム大佐のように、必ずしも悪役とは言い切れず、それでいてナチスに傾倒しているキャラクターだっていないこともない。特にシュトロハイムの場合、アニメ化の際にナチスとの関連性を曖昧にされていたが、そのくらいの配慮で許されるとすれば、欅坂46の衣裳も問題ないはずだ。つまりこれって、スペル星人は封印されてしまったのに、『ゴジラ』は何の問題もなくシリーズを重ねていることと一緒では? 欅坂46スペル星人は、たまたま見つかってしまった。


そう考えてみると、やっぱり可哀想なのは欅坂46だ。乃木坂46生駒里奈ちゃんは、朝の子供向けバラエティ番組『ピラメキーノ640』で何度も一緒に仕事したこともあって応援しているが、欅坂46はセンターの平手なんとかちゃんくらいしか分からない。実際のところ、何の思い入れもないのだ。ただ、せっかくデビューしたばかりなのに、こんなことになってしまって運がなかったなあとは思う。
で、そんなことをツイッターで呟いたら、“運が悪い”という表現は違うのではないかという指摘をいただいた。どうやら知り合いの知り合いのようだし、別に向こうも悪意を持って話しかけている様子でもなかったのでケンカにはならなかったが、最後の最後まで会話は平行線のままだった。どんな内容だったか気になる方は、メデタシ権兵衛という紳士がまとめてふぁぼっているので、11月2日と3日のfavologで確認してみて欲しい。まあ、あちらにとって欅坂46は、秋元康ソニーミュージックエンタテインメントを含めた無配慮な集団という認識なのだろうけど、自分にとっては名も知らぬ十代の夢見る少女たちのことなのである。まず、そこで話が食い違ってる。


ナチス欅坂46問題について、是非を問うつもりはない。門外漢にとって、あまりにも難しい問題だ。仮にナチス親衛隊がダメだとして、ドイツ国防軍だったらよかったのだろうか? あるいは米軍だったら? ロシア軍だったら? はたまた自衛隊だったら? 正直、自分にはさっぱりだ。しかし、当たり障りのないことしか表現できないとすれば、それは決して表現の自由が守られている状態とはいえないし、今回の件で欅坂46のメンバーが負うべき責任なんてものも、なにひとつないとは思います。


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