大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

80点という正解


スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、2時間超の濃厚な接待映画だった。
こういった世代を超えて愛されているシリーズの最新作の場合、自分のような偏ったファンが期待すべきは120点満点ではなく、75点くらいが妥当なラインではないかと思っている。その代わり誰もが同じくらいの満足感を得られるつくりにしなくてはならない。ディズニーもそう考えたからこそJ・J・エイブラムスに任せたのではないか。80点の映画を撮らせたら、右に出る者がいない職業監督の鑑のような男だ。
そして彼は、その期待に見事応えていた。おそらく決して少なくない数のファンが不平不満を口にするだろうが、“あのとき”のような絶望感はない。全世界から20点分の怒りをぶつけられながら、それでも映画を撮り続けるJ・Jこそイエスの生まれ変わり、現代の聖人なのである。誰にも真似できない偉業だぜ?
口の悪いファンは老人の同窓会などと蔑んでいるものの、なかなかどうして新キャラクターも魅力的に仕上がっていたと思う。たとえば、安っぽいコスプレ衣裳をまとったアホにしか見えなかったカイロ・レンも、それならばと納得できる性格設定がなされていた。何よりもファースト・オーダーって、最高指導者スノーク以下どいつもこいつも小物っぽくて面白いじゃないか。こんなメッキ集団に追い詰められているのだ、かの憎き同盟軍は。ジェダイの豆腐メンタルに、帝国のしぶとさが勝ったッ! 第三部完ッ!



……まあ、それはそれとして新怪獣の大暴れが、ラスターなる鈴木土下座衛門モドキだけだったのは寂しかったかなあ。自分にとって、目まぐるしいドッグファイトや煌びやかなライトセーバー戦は刺身のつまに過ぎず、帝国の歩行兵器と土着感に満ちた怪獣たちこそが『スター・ウォーズ』の主役なのだ。


STAR WARS The Power OF THE Forth ランコアandルーク・スカイウォーカー/ハズプロー ジャパン(Kenner)