大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

4月のお仕事

ガイガン山崎+齋藤貴義 怪獣プロジェクト - 怪獣チャンネル

今日から君も、怪獣のプロだ――。
夕方の6時過ぎ、いつも12チャンを点けると、ザラブ星人に似た声のオジさんがそう語りかけてきた。
当時、僕はまだ4歳である。素直な子供である。だから確信した、俺は怪獣のプロなのだ。生ける怪獣コンピューターなのだ。
あれから二十余年、僕は怪獣のことを書いたり喋ったりして暮らしている。まさしく怪獣のプロだ。
君も『怪獣チャンネル』を聴いて、怪獣のプロになろう!


#001「ゴジラ(ゴジラシリーズ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#038「モチロン(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#071「タイラント(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#086「ミラクル星人(ウルトラマンタロウ)」f:id:gigan_yamazaki:20190130013052j:plain
#087「ルパンイエロー・パトレン3号(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)」

メディア芸術カレントコンテンツ
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第1回「What is KAIJU?」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第2回「海を渡った怪獣たち」
世界に息づく怪獣王(ゴジラ)の遺伝子 第3回「アメリカとゴジラ」

ニュータイプ 2019年5月号

ニュータイプ 2019年5月号


                                  ※撮影協力

火の呼吸

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アベンジャーズ/エンドゲーム』、これで文句を言ったら罰が当たる。10年前は、サノスどころかアベンジャーズ自体が、多くの日本人にとって未知の存在だったワケで、よくぞここまで定着させたもんだ。あと5年もすれば、どうせまたみんな見向きもしなくなって、我々だけでこそこそ楽しむ世界に逆戻りするんだろうが、それでも大したもんだ。MCUはスゴい。MCUはエラい。ただ、ひとつだけどうにも我慢ならんことがある。

キャップ? まあ、あいつの決断もどうかと思いましたけど、ハルクだよハルク。どうして最後までグレイシー柔術を使わなかったんだ。アボミネーションのときもロキのときもウルトロンのときも期待を裏切られた。しかし、最後の最後に取っておいてるんだろう。ここぞというタイミングで、サノスに決めてくれるんだろう。ずっとそう思ってた。それなのに、あゝそれなのに……。ヒクソン仕込みの腕ひしぎでガントレットを奪い取り、チョークスリーパーで絞め落とせ! お前、何のためにブラジルで修行してたんだよ!!

ヤフオク! への着ぐるみ出品に関しまして

先日、我が家工房で一部製作を請け負ったゴジラの着ぐるみが、ヤフオク! に流れているとの報告を受けました。過去の記事にも書きましたように、東宝株式会社様が主催したコンペティション企画『GEMSTONE』への応募作品に使用するものということで製作依頼を受けた着ぐるみです。しかし今回の一件は、明らかに応募規約に反した行為であり、当然のことながら我が家工房は関与しておりません。そのため、出品者様にも厳重抗議をさせていただいた次第です。今後、該当アカウントから如何なる出品があったとしても、我々とは一切関係ございません。その旨ご理解いただけますようお願い申し上げます。

なお、着ぐるみの製作過程を追った記録写真および映像が、クライアント様の応募作の映像素材として使用されていることも判明しましたが、こちらも無断で行われたものです。

新しいヒーローの誕生!!

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ウルトラシリーズ最新作『ウルトラマンタイガ』が、今年の7月より放送開始されることが正式発表された。自分は仕事柄、ずっと前からデザインも設定も知っていたわけだけど、もっと賛否両論というか、むしろ否のほうがネット上では目立つタイプの企画だと思っていたので、意外とすんなり受け入れられていて驚いた次第。もちろん、年季の入ったファンは怒ったり、嘆いたり、ブーたれたりしている。しかしオジさんとはそういうもので、そうではない若者ですら中年化してしまうのがマニアという生き方だと思う。


少なくとも自分はそうだった。むしろ今のほうが、学生時代よりも視野が広がったぶん、ずっと寛容になっているくらいだ。別に文句がないわけでもないけど、しゃーないもんなあという諦めの境地ともいえるかもしれない。しかし最近の若い特撮ファンは、あまり否定的な意見を発信しない傾向にある。人間なんだから……ましてマニアともなれば、絶対に好き嫌いはあるはずなんだけど、実際に目にするものはポジティブな意見ばかりなのだ。特にツイッターでは、そういった振る舞いが正しいとされているような気がする。


確かに作品を批判する際、そこに否定的な意見が含まれていると、熱心なファンから強い反発を受けることはある。私は私、あなたはあなたであって、こういった見解の相違が争いの原因になること自体がナンセンスなんだが、決して珍しいことではない。たぶん、それが面倒だから本音を隠しているのだろう。まあ、それもひとつの処世術だ。“好き”のみをアピールしていれば、誰とも喧嘩にはならない。ただ、これは理想論かもしれないけれど、みんなが他人の“嫌い”も受け入れる度量を会得すればいいだけの話なのよね。*1


で、超獣ファック! 『ウルトラマンタロウ』の脚本はボクにも書ける! というオタク第一世代のオジさんとも仲良くやってる度量の広いガイガン山崎さんは、どうにもこうにもウルトラマンタイタスのルックスが許容できない。ふと気付けば、本来のU40系のデザインラインに則ったタイタスを描いていた。う~~~ん、地味! 鼻はあるけど、華がないって感じだ。やっぱりギンガやビクトリーを経た現在、これでは子供たちのハートに突き刺さらない。円谷プロだって、最初はこういうタイタスも検討していたはずで、それがああなったのには理由があるわけですよ。納得。ほらね、途端に物分りがいいんだボカァ。

*1:変な話、誰かの好きな作品を貶すなという理屈が通るならば、同じように誰かの嫌いな作品を褒めてもいけないはずだ。一見すると後者のほうが理不尽な要求に見えるかもしれないが、実際にはコインの裏表であり、これらを周囲に求めるような空気が蔓延すれば、極めて悪質な同調圧力に繋がるというか、もう既に少しなりかかってるように感じる。

ギロチングキング製作記(その10)

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前回のフォルムチェックを参考に、甲羅やツノの位置調整は終わらせたものの、何故かそれでも違和感が拭えない。間違いなくカッコいい怪獣になってきたはずが、何かがおかしい……。そして四方八方から着ぐるみを眺めること数分間、ようやく違和感の正体が掴めた。真正面から見たとき、目玉が見えないのである。これではどうにもキャラが弱い。


どうしたもんかと悩んだが、床山皇帝(@Kaisel_Kaiser)が言い出したか、それとも自分から言い出したか。背中の大きなツノに、“第2の顔”を付けるというアイデアが飛び出した。ダブルヘッド案、早くも復活だ。元々、ギロチン頭のほうはダミーで、真の顔は顎の下というつもりで進めていたし、背中の宇宙人に操られている設定もいいかもしれん。


まあ、いざ頭が付くと思って見てみると、前方に突き出した2本の突起物も含めて、金星ガニっぽく見えなくもない。そんなこんなで、床山皇帝から「金星だからサターン星人という名前はどうです?」なる学のない発言も飛び出したが、最終的に寄生宇宙人パイル星人と名付けました。これも床山皇帝の提案。別の生命体に身体を打ち込み、内側から侵食&改造していく恐ろしい金属生命体だ。要するにボーグ。以上!

ギロチングキング製作記(その9)

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あんなことがあったせいで先延ばしにしていた、ギロチングキングの撮影を済ませてきた。バラモンキングのときにも書いた気がするけれど、普段はパーツを分解した状態で作業しているため、たまにこうやって組み上げては全体のフォルムを確認する必要がある。その結果……顎の下に隠された“第2の顔”というギミックは諦めることにしました。

正直な話、これがやりたくて作り始めたような肝入りギミックではあるんだが、バグるみの残骸をベースに組み上げていることもあって、どうしても絵で描いたようなバランスにならなかったのである。今までに何回も書いてるように、もはやサメじゃなくてフグの怪獣みたいな体型だからね。まあ、デザイン画どおりにならないのはいつものことだ。

ただ、初期コンセプトを押し通すことによって、カッコ悪い怪獣になってしまっても本末転倒だ。まずはクールな四ツ足怪獣として完成させることを目指しつつ、なにか解決策を思いついたときに軌道修正すればいいだろう。で、とりあえず顎の下にも大きなギロチンを取り付けて、第2の顔を配置するために作った空間を埋めることに。むしろギロチン怪獣としては、そのほうが正解かもしれん。頭のツノ、あんまりギロチンに見えないしね。