大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

どの怪獣も俺が殺る


レッドマン』の動画に書き込まれた、悪意のない怪獣を殺して云々みたいなコメント群はギャグなんだよね? まったく笑えないだけであって、あくまでも冗談なんですよね? まさか本気じゃないですよね? 本気? 本気なの? こえーよ、コスモス世代……なんてことを書くと、当のコスモス世代から怒られそうだが、というか実際に怒られたんですが、ジョークですからね。そもそもコスモス世代って、イコール龍騎世代なんだよなあ。なんて両極端な時代! まあ、そういう意味では(画面上では)まだ何も悪いことをしていないミラーモンスターが、ただただファイナルベントを見舞われるためだけにふらふらと出てくる仮面ライダー龍騎』は、“21世紀の『レッドマン』”と言っても過言ではないだろう。もしくは過言だろう。


一応、付け加えておくと、“赤い通り魔”がどうこうみたいなツッコミの話ではない。こういったファン側の盛り上がりに、オフィシャル側まで乗っかってふざけ倒してしまうことに関しては全肯定しかねるものがある(ウルフェス前夜祭でのブースカに挑みかかろうとするくだりは笑えたが、けっこうギリギリのラインだ)けれど、今となってはレッドマンのオーバーキルっぷりを茶化しながら観るのもまた一興。おススメはサータン戦だ。しかし、わりと本気でレッドマンを非難している人々も少なからず存在するらしい。


いやいや、アーストロンがそこら辺を散歩していたら、取りも直さず倒さなきゃ駄目でしょう。だって凶暴怪獣だぜ? あそこでレッドマンが見逃したら、第二第三の朝霧山が……。アーストロン。極めて危険、見たら殺せ。ダークロン。極めて危険、見たら殺せ。ブラックキング。極めて危険、見たら殺せ。ザウルス、ウー、加根田金男。危険じゃないけど、とりあえず殺せ。みんな殺せ! 悪意がないとか罪もないとか、怪獣に対する最大の侮辱である。レッドファイッ!


【2016年4月8日追記】
'70年代当時のヒーローアクションなんて、現在の洗練されたそれと比べたら、大なり小なり野蛮で大雑把なものに見えてしまうだろうが、そこを差し引いてもレッドマンのファイトスタイルは残虐に過ぎる。では、どうしてレッドファイトは、あんなことになっているのか。これはもう、ひとえに番組予算がなかったからだろう。そもそもメイン武器のレッドアローからして、新マンのウルトラクロスの流用物なのだから、かなり厳しい台所事情がうかがえる。要するに光線技を合成することができなかったのだ。しかし、それでも派手な見せ場は作りたい。結果、『レッドマン』は肉弾戦の描写をエスカレートせざるを得なくなり、やがてヒーローと怪獣の擬斗とは思えない、えらく生々しく凄惨でオーバーキルなバイオレンスアクションが誕生したのである。たぶんね。